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地域に密着して挑戦者に伴走。クラウドファンディングパートナーの役割とは?

何か挑戦したいことがある。その想いをかたちにするための資金を集めたい。

その手段の選択肢のひとつとして、「クラウドファンディング」があります。

とはいえ、自身がクラウドファンディングを始めるには少しハードルがあるかもしれません。自分のやりたいことを実現するための手段として、クラウドファンディングが身近な選択肢ではない人も少なくないのではないでしょうか。

やりたいことがあるけれど、何から始めたらいいのかわからない。誰に相談すればいいんだろう。

そんな挑戦者を応援するために、READYFORは2020年8月から「クラウドファンディングパートナー制度」をスタートしました。

READYFORで、プロジェクトの立ち上げから達成まで実行者に伴走しているのが「キュレーター」です。そのキュレーターとタッグを組んで、専門領域のフォローや物理的に近い距離でのサポートを担ってもらうのが、今回新設した外部の「パートナー」。キュレーターとパートナーの両者で、挑戦する人をより長く、深く応援していきます。

そんなクラウドファンディングパートナー制度を発表してすぐに応募してくださったのが、株式会社エフライフの小笠原隼人さん。

パートナーになる前から、福島県で復興庁クラウドファンディング支援事業の地域コーディネーター業務を受託し、合計40件以上のプロジェクトを伴走支援してきました。すでにREADYFORでも複数のプロジェクトに関わってくださっています。


今回は数多くのプロジェクトに伴走し、自社でもクラウドファンディングの経験がある小笠原さんに、地域に密着しながらどのように挑戦者の思いをかたちにしているのかをうかがいました。

クラウドファンディングに限らない伴走支援

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(小笠原隼人さん)

── 小笠原さんは、クラウドファンディングにどのように関わってきたのでしょうか。

まず、私が立ち上げた株式会社エフライフの事業から説明しますね。エフライフは、2017年に「大切なものを大切にして生きていく」ことを掲げて福島県で立ち上がりました。

事業としては、自社事業と、デザインやコンサルティングの受託の2軸があります。自社事業では飲食サービスやコミュニティキッチンを運営していて、5つの事業のうち3つはクラウドファンディングで資金を集めてスタートしたものです。

自社で取り組んだクラウドファンディングの経験を活かし、クラウドファンディング伴走支援サービス「Local Crowdfunding Lab」を始め、1事業として力を入れています。自分たちで経験したからこそ感じられるクラウドファンディングの魅力、達成のためのポイントをお伝えしながら、志を持った地域の挑戦者がやりたいことを実現する後押しをする役割です。

── クラウドファンディングの伴走支援はいつからスタートされたんですか?

2018年から3年間、復興庁クラウドファンディング支援事業を受託し、福島県地域コーディネーターとして伴走をしてきました。2018年と2019年の2年間で28件、今年度は15件ほどのプロジェクトに伴走し、2020年10月現在で合計1億円以上のファンディングに成功しています。

── この復興庁の受託事業で、エフライフはどのような役割を担っているのでしょうか。

事業者さんの挑戦をかたちにするために、全方位からのサポートを担うのが私たちの役割です。

まずはやりたいことや夢、これまで頑張ってきたことをじっくりヒアリングします。資金調達の方法としてクラウドファンディングが適切だと考えたら、プロジェクトとの相性が良いプラットフォームをご紹介する流れです。

その後は、クラウドファンディングを成功させるためのビジョンの言語化、リターンの設計、行動計画の作成、モチベーションの補助など、伴走支援として求められるサポートは事業者さんによってさまざま。ビジネスモデルのブラッシュアップをお手伝いすることも多いですね。

── クラウドファンディングに限らない伴走をされているんですね。

そうですね。クラウドファンディングでお金を集められたとしても、集めたお金を使い切ったら事業ごと倒れてしまうようでは、事業者さんがやりたいことの実現にはつながりません。ビジネスモデルが弱ければ長く続けられないので、クラウドファンディングのお金を使い切った後も持続可能なビジネスモデルを構築するサポートもしています。

近くで励ますパートナーと、離れても知見を提供できるキュレーター

── 会社の事業の一つとして、すでにパートナーのような動きをされているんですね。今回、どのようなきっかけでREADYFORのパートナーに登録してくださったのでしょうか?

今年度で復興庁のクラウドファンディング支援事業が終了するのですが、活動拠点にしている福島県内だけでなく県外からもクラウドファンディングに関するご相談が増えています。

ご相談くださるみなさんのやりたいことをどのようにかたちにしていけるかなと考えて、READYFORの代表である米良さんにご相談したんです。そしたらパートナーの登録が始まると聞いて、すぐに応募しました。

── 復興庁支援事業の一環として、すでにREADYFORとも何度かタッグを組んでくださっていますよね。READYFORと一緒に事業者さんをサポートすることは、エフライフにとってどんなメリットがあるのでしょうか。

READYFORとタッグを組むと、キュレーターさん一人ひとりが実行者さんに伴走してくれる安心感があります。私たちが得意ではないことをキュレーターさんが巻き取ってくれて、実行者さんとキュレーターさん、私たちエフライフの三角形でバランスの取れたチームになれるんです。

たとえばREADYFORのキュレーターさんは、丁寧に進捗管理しながらプロセスを見守ってくれる。実行者さんに対しても、「進捗どうですか」と定期的に連絡を入れてくれます。

私たちエフライフのメンバーは進捗管理よりもゼロイチのほうが得意なので、READYFORのキュレーターさんと役割分担をできるとありがたいんですよね。ストイックな進捗管理と、モチベーションをフォローする優しさ、両方をひとりでフォローしようとしていたら大変ですから。

── エフライフさんは地域密着で活動されているので、初めてのクラウドファンディングに挑戦する事業者さんにとってサポートしてくれる方が近い距離にいてくれると心強いでしょうね。

そうですね、その点もキュレーターさんと役割分担しやすいと感じています。キュレーターさんは物理的に遠い場所にいるし、直接顔を合わせないケースも多いので、事業者さんから信頼を得るハードルがある。READYFORのキュレーターさんたちが慣れているとはいえ、ビジネスライクになりやすいんですよね。

一方で私たちはいつでも事業者さんに直接会いに行けますし、実際に会ってみると不安や焦りが伝わってきます。それに私たちはクラウドファンディングを実際に立ち上げた経験もあるので、そのなかで重要だと思ったことをお伝えできることは強みですし、説得力が増すかなと思うんです。

それらの特性を活かして、同じ地域の事業者さんに伴走する場合、近い距離にいる私たちが間に入って事業者さんとキュレーターさんとの関係をもっとほぐしていけたらいいですね。キュレーターさんたちの熱量を事業者さんに共有して、スタートダッシュから力強く駆け出せる環境づくりのお手伝いをしたいです。

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100年後の未来をつくる!とみおかワインプロジェクト の打ち合わせ風景)

思いをかたちにするプロセスを応援し、失敗を許容できる文化に

── 伴走する上で小笠原さんが大切にされていることはなんでしょうか。

最後まであきらめずに、事業者さんの達成を信じていることです。自分たちでもプロジェクトをやってみて思ったのは、最終日まで本当に何があるのか分からないということ。しかしなかなか想定どおりに支援金額が伸びないと、事業者さんが最初にあきらめそうになってしまいます。だから私は励ますだけでなく、フェーズや状況に応じて具体的な提案をして、あきらめないでいられる手段を持っていたいです。

── あきらめずに根気強く伴走する難しさがありそうですが、これまで数多くのプロジェクトを支援してきて、小笠原さんはどこにやりがいを感じていらっしゃいますか?

相談してくれた方にとって何が大切なのか、何をしたいのかを聞き出し、思いをかたちにしていくプロセスにやりがいを感じます。事業化の前段階からお手伝いできるので、まだかたちが決まりきっていない想いが実現していくプロセスを見届けられることが、嬉しいですね。

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(エフライフが関わってきたプロジェクトの一部)

── これまで見えていなかった思いがどんどんかたちになっていくと、挑戦する人が集まる地域も元気になっていきそうですね。

そういう面はたしかにありますが、クラウドファンディングを使って立ち上げた事業が上手くいかないと、「人のお金を大切に使わないなんて」と非難されてしまう風潮もまだあると思います。だからこそ事業者が持続可能なビジネスモデルを設計することと、周りが「失敗してもいいじゃん」と言える空気をつくることの両輪が必要です。

福島県でも復興庁の事業でクラウドファンディングのプロジェクト自体は増えたのですが、その後どうなっていくのかも見ていないといけないなと思います。全ての事業が常に上手くいくわけではないので、失敗を許容する文化が根付くといいですね。

── 復興庁の支援事業の期限が見えてきた今、READYFORとタッグを組んで、今後やっていきたいことはありますか?

ひとつは、エリアの拡大です。これまでは基本的にエリアを福島県やその近辺のご相談を受けていたのですが、パートナー制度に登録したことで相談を受けやすくなりました。

もうひとつが、伴走支援の事業化です。クラウドファンディングだけでなく事業の設計に深入りしていったほうが私たちの強みを発揮できるので、持続可能な伴走をしていくために、クラウドファンディングの期間だけでなくその前後にも伴走しやすい体制を整えていきたいです。

その一環として、READYFORで伴走をさせていただくプロジェクトを、間もなく公開予定します。福島県内のにんじん農家さんからご依頼いただき、新商品のコンセプト設計・プロダクトデザインなどを担いながら、クラウドファンディングを進める予定です。

これからは全国からご相談を受け、より力強く伴走しながら、「大切なものを大切にする」生き方を後押ししていきたいと考えています。


※パートナーとなってくれる方は下記のフォームよりお申し込みください。
パートナー制度申し込みフォーム

小笠原隼人さん
株式会社エフライフ代表取締役。クラウドファンディング伴走支援事業「Local Crowdfunding Lab」運営。埼玉県所沢市生まれ。新卒で葬儀サポートの会社に勤める。震災後に福島県を初めて訪れ、いくつもの出会いや縁に導かれ移住を決意。大切なものを大切にして生きていくライフスタイルを福島から拡げていくことを目指し、2017年に株式会社エフライフを設立。クリエイティブな企画を考えること、人の内面的な理解や成長に関わることが得意。

text by 菊池百合子 edit by 徳 瑠里香

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