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クラウドファンディングの「キュレーター」って、なに?

新しいことに挑戦しようとする人たちには、だいたいお金がありません。
やる気とアイデアはあふれているけど、お金がない。お金だけがない。

クラウドファンディングは、そんな人たちに、挑戦の土台となる資金を流し、最初の応援者を可視化するための仕組みです。

一度きりの人生で、いままさに賽を投げようとする人たち。その熱意と決意が飛び散ることなく形を成すよう、お手伝いをするのが私たちキュレーターの役目です。

そもそも、なぜキュレーターという仕事があるのか。

キュレーターとは、クラウドファンディング(CF)プロジェクトの、立案から達成(ファンディング終了)まで、実行者(ファンディングする人)と一緒になって走る専属の担当者です。

もっというと、“達成のためになりそうなこと”を率先して提案し、“達成の障害になりそうなこと”をできるかぎり先回りして取っぱらう、露払いのような仕事かもしれません。

Readyforでは、フルサポートプラン(*1)を選んだ実行者さんには、必ず専任のキュレーターがつくという仕組みをとっています。

なにしろ多くの人にとって、CFは人生初の取り組みで、どうするのが正解なのかも分からない、暗中模索の挑戦です。

ハウツー本やウェブ記事も出回ってはいますが、ざっくりした概論でしかなかったり、逆にあまりに個別具体的な経験談にすぎなかったり……。だからこそ、CFの定石はもちろん、過去の経験やデータ、担当プロジェクトの特性や実行者さんの個性も考えて伴走ができる「専任のキュレーター」がつくことには大きな意味があるはず、と私たちは信じています。

*1 キュレーターがつかない「シンプルプラン」を選択することもできます。
https://readyfor.jp/proposals/intro


具体的に、仕事の流れは?

簡単に、フローにまとめてみました。

▲プロジェクトの初回打ち合わせから達成まで、一気通貫して担当

「何往復かのやりとり」だの「達成に向けてサポート」だの、かなりざっくりした書き方になっているのは、個々のプロジェクトによって必要とされる「やりとり」や「サポート」の内容がかなり異なるからです。そのぶん、キュレーターはそれぞれが裁量をもって臨機応変に動いています。

また、中には、直接応募ではないルートのプロジェクト(過去の実行者さんや、業務提携先*2からのご紹介など)もあり、「クラウドファンディングをやるんだったらReadyforがいいよ」と紹介していただけるような関係づくりも、大切な仕事のひとつです。

*2 自治体、大学、金融機関等との提携事例も増えてきています。そういったやりとりを専門に行う部署も、現在メンバー募集中。
https://www.wantedly.com/projects/244422

▲私が所属する「ソーシャルインパクト事業部」のミーティング風景。チーム内で常に状況を共有し、一部は手分けするなど、キュレーターが孤立しない体制に配慮しています。

この仕事の楽しさと、もどかしさ

個人的には、キュレーターの面白さは「社会のエッジを行く愉快な人たちと、“関係者”という立場で一緒に走れること」に尽きると思っています。

Readyforは、日本のCFの中ではいちばんの老舗で、先頭を走っている会社です。「業界でいちばん」ということは、CFやりたいな〜〜〜と思ったら、日本のどんな人でも組織でも、まず選択肢に上がる会社だということです。しかもCFは大概、そんな人たちが「何か新しい一歩」を踏み出すときに使われます。

つまり、さまざまな世界でエッジを行く人たちの、「新展開」や「一大チャレンジ」に近くで関わることができる。

もちろん、私たちはあくまで主役ではなくサポートに徹する立場ではありますが、お客さんでも傍観者でもなく、“関係者パス”を携えて、多様なプロジェクトの輪に入ることができるのは、本当に目まぐるしくて楽しいことです。

▲多種多様なプロジェクトたち

一方で、いちばんもどかしく感じるのは、そうやってせっかく深いところでお付き合いできた実行者さんとも、CFが終わるといったんお別れになることです。

もちろん、その後もメールが続いたり、イベントに呼んでいただいたり、完全に切れるわけではないですし、2度目3度目のプロジェクトに挑戦される方も多いのですが、基本的には私たちの仕事はお金集めまで。プロジェクトの実現より手前でいったん仕事が終わってしまう。そんな寂しさは毎回つきまといます。

▲担当プロジェクトの現場にお邪魔するときはいつも感慨深い(写真は、「変態する音楽会」https://readyfor.jp/projects/transforming-orchestra

Readyforのキュレーター、どんな人が向いている?

私なりに、少なくとも絶対必要だと思う要素について考えてみました。

まず。実行者さんは、本当に多様です。プロジェクト内容も、多様です。
“その実行者さんにとって”達成のためになりそうなことは何か。“そのプロジェクトにとって”達成の障害になりそうなことは何か。相手や状況にあわせてコミュニケーションの融通をきかせられるセンサーは、肝要かなと感じます。

また、「実行者さんをサポートする!」と謳えば麗しいですが、言ってしまえば私たちが携わるのは「お金集め」。担当するからには達成しなければならないし、1円でも多く実行者さんに届けることが任務です。お金という生々しいものを、数字を、日々追いかけなければなりません。ふわっとハートフルなやりとりだけで完結できる仕事ではないことに、納得して向き合えるかどうかも、大きなポイントだと思います。

そして。Readyforは、設立8年目のまだまだベンチャー企業です。組織や社内制度も決して完成されておらず流動的。そんな変化のある環境で働くことに、何かしら積極的なモチベーションをもっていただける方を歓迎します。

▲もちろん、キュレーターたるもの◯◯すべし!というものが決まっているわけではありません。普段の業務に加え、こんなイベントの企画・登壇をすることもしばしば

さいごに

当然ながら、採用時にCFのキュレーター経験がある人などいません。

中途社員も、それぞれ出身業界は多岐に渡ります。明確に必要なスキルもなければ、絶対的に理想の人物像もありません。

いろんなプロジェクトがあります。いろんな実行者さんがいます。

ひとつひとつを面白がって、苦労も笑い飛ばしながら、自分なりのキュレーター像を切り拓いていく気概のある方。

ご応募、お待ちしています。

▲関西出張時に開催したイベントの様子

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text by 廣安ゆきみ(READYFOR株式会社 / キュレーター)

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