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全社フルリモートを導入、コロナ対策として人事・組織ができること

こんにちは、READYFORで人事担当をしている吉川です。2019年10月に中途入社し、人事制度設計や組織開発を担当しています。

今、世の中が新型コロナで大きく揺れていますが、その影響で会社の雰囲気にも変化が起きているなと思うこと、ありませんか? 私たちREADYFORも、全社フルリモートを導入してみて「新たな発見」があり、この変化をどう乗り越えていくか、試行錯誤しているところです。

まだその最中にいますが、コロナ対策として、人事・組織の面からどう動いてきたかについて振り返りつつ、今後のことについても考えてみたいと思います。

デメリットを洗い出し、いち早く全社リモートワークを導入

2/24のNHKで「今後1~2週間が瀬戸際」国の専門家会議が見解【全文】|特設サイト 新型コロナウイルス|NHK NEWS WEBのニュースが発表されたことを受け、2/25午前中には「2/26からのリモートを強く推奨、出社は許可制」になることが決定しました。 

それ以前もREADYFORでは、感染対策として時差出勤やイベント自粛、一部社員のリモート勤務を実施していましたが、この時は「今、感染拡大を食い止めなければ」という社会要請が強まったことを受け、人事から全面リモートを提案、経営メンバーと議論の上CEO米良が判断しました。

その後すぐにリモート時のデメリットと対策を洗い出し、切替えを行いました。想定されていたデメリットは、業務進捗が遅れが出る、緊急時にすぐ打合せがしづらい、通信環境が不安定、他のグループの様子がわからなくて連携が取りづらくなる、雑談ができなくてリフレッシュの機会がない、といったことです。

幸い、社外とのやり取りはメールや電話を使うことが多く、PCさえあれば自宅でも仕事ができる人がほとんどだったので、進捗確認のWeb会議を増やす、slack上の雑談をあえて推奨する、通信環境が不足している場合の会社補助を一部行う、といった対策を決めてすぐに開始できました。2/26から1カ月以上立ちましたが、出社していなくても大きな問題は起きていません。

全社一体となり「中止イベント支援プログラム」を立ち上げる

逆にこの大変な状況でREADYFORができることはなんだろう、ということをみんなで必死に考えているという意味で、全社の一体感は強まったのかもしれません。

「中止イベント支援プログラム」も、リモート体制がちょうど始まる頃にほぼ2日で立上げできました。

コロナ流行初期からアイデアは検討されていたのですが、当社がリモートを導入すると決めたのとほぼ同タイミングで、責任者であるCTO町野が大枠を決めて、法務、サービスオペレーション部門の責任者がすぐに具体的なプランを練り、キュレーターや経理メンバーが実行フェーズの懸念点をつぶし、PRが発表項目を洗い出しプレスリリースを準備する、という作業を同時進行で対応していました。

新しいことをやるにあたってこれまでの知見が一気に結集して、「絶対にやり切るぞ」という気迫がすごかったです。結果、クラウドファンディング各社に先駆けてリリースでき、多くのメディアでも取り上げていただいた結果、プロジェクトををやりたいと申し込んで下さる方が多く集まりました。

オフラインを重視してきたREADYFORのこれまでのスタンス

リモートが決まってからの動きはとても迅速ではありましたが、実はREADYFORは前からリモート推奨をしている会社だったわけではありません。むしろ、オフラインをとても大切にするカルチャーだと思います。

1年前まで社員数50名程度、ワンフロアで全員顔がわかり、お互いどんな人か大体知っている状態で働くアットホームな会社でした。それが1年足らずで約40名も増えて一気に組織になりました。

そうなると「見えない部分で何が起きているかわからないから、口を出すのはやめておこう」、「あの人ってどんな人か知らないし相談しづらいな」みたいな感覚がどうしても生まれてきます。そうした事象を最小化するために、100人超えてもワンフロアのオフィスで働き、部署をわざと混ぜてシャッフルランチをしたり、運動会をはじめとした全社イベントも本気でやっています。こういった顔を合わせる機会を通じてREADYFORのカルチャーが醸成されていると思います。

経営判断でトレードオフがあるような内容を全員共有する場「全社MTG」も月2回、全社員集まって実施していて、その場で質疑応答するときも、行動指針である「まよったら言う」を推奨しているし、それができるのがオフラインの強みだと思っていたんです。

「リモートでもいける」という新たな発見

実際に全社リモートを導入してみて、いい意味で、リモート勤務をすることに対する感覚が変わりました。経営メンバー含めて、「あ、これリモートでも十分できるわ」っていうことが思った以上に多かったです。

全社MTGも、ぶっつけ本番で104人、Google hangoutで繋げたらいつも以上に盛り上がって、資料も見やすく声も聞き取りやすい。「ぶっちゃけオフラインよりいい」という人もいて、メンバーの反応も軒並みよかったです(「READYFORお誕生日会兼、お花見イベント」もオンラインで開催することにしました)。

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リモートにすると上司への相談がしづらくなるのでは、という懸念もありましたが、毎日朝夕2回、フラッシュMTGという形でTODOの報告や、困り事のシェア、それに対するアドバイスをする、という取り組みが現場発案ですんなり定着して、「お互いリモートでもちゃんと頑張ろうね」という雰囲気が早々に形成されました。

普段は朝会(いわゆる朝礼)を毎日朝10時にやっていて、司会を持ち回りにしてみんなで体操したり、3分間スピーチをしてメンバー同士の理解を深めていたのですが、リモートになってからはslack上で「私の選ぶバリュー体現者」「3分スピーチで話したかった小話」「大事だと思う業務報告」を展開する形にしたら意外に大好評。アルバイトさんも含めて毎日日替わりでとてもいいネタを提供してくれていて、新鮮だな~と思っています。

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単に、「雑談がなくてさみしい!」というメンバーが集まってGoogle hangoutで飲み会をやってみたら、子供や犬猫とも一緒に参加できてこれもまた楽しかったです。

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あとは家族と過ごす時間が増えたのも副次的に良い効果だったと思います。私も3歳の子供がいるので、通勤時間を省けた分一緒に過ごす時間が増えました。子供のいるメンバーとよくWeb会議しますが、COO樋浦のお子さんが画面越しに張り切って勉強していたのに、気づいたら寝ちゃってた!ということもあって。ほっこりしますよね(笑)。

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これから長期化することを見据えて

それでもやっぱり、この状態が長く続くのはツライ部分も出てきます。オフィスほど作業環境が整っていなくて、姿勢を保てず身体に不調が出てしまったり、ふとしたときの雑談、通りすがりに一言かけるコミュニケーションといった当たり前だったものがなくなったさみしさの積み重ねや、本来生まれていたはずのやりとりがないことで滞る仕事もある気がします。

そして何より、膝をつき合わせてやりたい研修や打合せ、全社イベントの延期が続くと、進むべきものが進まない、このままいつまで延期すればいいかわからない、といった状況に一部なっているのも事実です。

1カ月前に、全面リモート導入を提案したとき、正直私はここまでの状態を全く予想していませんでした。2週間我慢すればまた元に戻るだろうから、それまでの辛抱だと。でも実際は2週間どころではなく、1年単位で戦わなければいけないことがわかってきて、その場しのぎの対応はもうできなくなったと感じています。

改めて今考えないといけないのは、「これまでやってきたことの、本当の目的は何か。この環境下でそれを達成するためには、他のやり方が必要なのではないか」ということです。

通勤することを前提に支払ってきた交通費も、オフィスで快適に働くために投資してきた設備も、前提が変わった今、どう捉えるべきなのか。

未曾有の混乱が続く中で、もっと「想いの乗ったお金の流れを増やす」ために、どんな組織であるべきなのか。

この問いに対する一つの答えが、先週公開された「新型コロナウイルス感染症:拡大防止活動基金」です。

新型コロナウイルス感染症:拡大防止活動基金 有志の会が主体となり、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために最前線で闘う医療従事者や、感染拡大防止活動を行う方々への支援など、今必要なところへお金を届ける取り組みです。これまでに当社が手がけたことのない、新しいスキームでしたが、約1週間で立上げ準備し、公開から約3日間ですでに3000万円を超えるご寄附をいただいております。

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今、私たちREADYFORにできることは、感染拡大防止のために必要なところへ素早くお金を流すこと、そしてこんな状況だからこそ、止めてはいけない活動を支えること、そのために実行者となるみなさんの「挑戦したい」という想いを後押しすることだと思います。

こういった新しい取り組みのなかで大切だと感じるのは、顔が見えづらい状況でも、「そもそもこれは何のためにやるのか」「もっといいやり方があるのではないか」といったお互いの意見をきちんと言葉にして伝えて、うやむやにせず進めることだと思います。それができるメンバーがたくさんいることがこの組織の強みであり、人事はそれを支えるために、できることをやっていきたい。メンバーが「今、大事なことはこれだ」と納得して全力投球できる強い組織を、これからも保っていきたいと思います。

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吉川彩加
2010年早稲田大学商学部卒。新卒で空調機メーカーに入社し採用担当を約5年経験したのち、自動車メーカーへ転職し事業所労務・厚生領域を担当。育休中、任意団体のお手伝いで新規事業を立ち上げる際、クラウドファンディングを利用したことがきっかけでREADYFORに興味を持つ。復職後1年以上悩んだ結果、運よく人事のポストにめぐり合い2019年10月にジョイン。評価制度のアップデートや組織開発全般を担当。人材紹介業の夫、4歳の娘と3人暮らし。

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