プロダクト部門で1Day合宿を企画&運営してみた 【おまけつき】
こんにちは、READYFORプロダクト部門 なんでも屋の江藤です。
READYFORプロダクト部門では、
CTO町野のもと、プロダクトのデザイン、開発から実際の審査対応、カスタマーサポートまで、実行者・支援者が接するReadyforの多くを開発・運用しています。
6月はREADYFORにとって年度末。今年2019年1月に町野がCTOとしてREADYFORにジョインしてから半年が経過して、チームの立ち上がりも一段落してきたこのタイミングで、1日がかりの振り返りと向き直しのオフサイトMTGを実施してきました。
今回の記事ではオフサイトMTGの企画段階から当日のレポートをまとめ、少しでも誰かのお役に立てればとの思いで、学んだことを共有します。
この記事の想定している読者層と届けたい価値
・READYFORに興味をもってくださっているPM・デザイナー・エンジニアのみなさまにREADYFORで働くことの端緒が伝わること
・同じように、長い時間のMTGの企画・運営を任された人にとって、少しでも「巨人の肩にのる」体験ができること
末尾に今回利用したマニュアルと、スライドを置いておきます。ご自由にご利用ください。
企画編①:目的の大枠を決める
きっかけはプロダクトチームを率いるCTO町野の「合宿やろう」の一言でした。
町野「合宿やろう」
江藤「やりましょう」
合宿の幹事をこれまでいくつかのイベント企画・運営をサポートしてきた江藤が拝命して、企画を進めていくことになりました。
イベント企画の経験はそれなりにあるとはいえ、メインの参加者がエンジニアの合宿・MTG企画ははじめての経験。まずは他社で、プロダクトチームの合宿がどのように進められているのかをレポート記事を読んで研究することから始めました。
(IT業界全体で、会社の垣根を飛び越えて培った知見を共有していく文化、大好き)
読んでみて、「開発合宿と冠していても、コンテンツが2パターンあること」に気づきました。
1. 普段の業務ではできないようなプロジェクトを進める、開発する合宿
2. 振り返りや長期方針の理解・議論を目的とした、開発チームの合宿
今回の目的から考えるに、「2. 振り返りや長期方針の理解・議論を目的とした、開発チームの合宿」が適切であろうと判断しました。
企画編②:目的とコンテンツを往復する
目的の大枠は定まったので、目的の具体化と当日のコンテンツを詰めていきます。
当日のコンテンツ内容を考える上で、まず「本当に(1泊2日の)合宿にする必要があるのか?」を考えてみることにしました。
結論として今回チームビルディングは主目的ではないことを鑑みて、1dayのオフサイトMTGを採用することにしました。
この1dayの枠の中で、目的の具体化と企画の精査をしていきます。
・このMTGでの成果物はなにか?
→開発ロードマップ?OKR?もっと別のなにか?
・誰までをMTGに参加してもらうのか?
・どんな順番で企画を行うのか?
MTG企画の考え方の話になってしまいますが、「MTGの進め方」のように企画の種類や制約が分かりやすいものは具体的な企画も前倒しで考えてみて、目的と企画内容を往復してみるのがいいんじゃないかと思います。
ありがたいことに、チームのメンバーも1dayのMTGがどう進んでいくかに関心をもってくれていたので、チームの週1回のMTGや1DayMTG用のSlackチャンネルにて、現状の企画内容をできるだけシェアすることを心がけました。
また、コンテンツを考える上では「カイゼン・ジャーニー」が非常に参考になりました。毎日読んでました。
単純に手法が豊富に紹介されているのはもちろんですが、物語仕立てで解説されているので、各手法の利用シーンやどんな反応がくるものなのかが非常にわかりやすく、とても助かりました。
企画編③:企画完成!
そんなこんなで、1dayのMTGのタイムラインは以下のようにまとまりました!
詳細はこの後レポートしていきますが、簡単に構成を説明すると、
午前中は「振り返り」を目的にした承認と感謝のセッション、
午後は「向き直し」を目的にした次の期の方針共有と議論のセッション
という構成になっています。
当日編①:MTG開始まで
開始前風の写真(帰り際に慌てて撮った)
当日の会場として、オフィスがある文京区の施設を利用させていただきました。
(区の施設は民間施設よりも安く借りることができます。今回も会議室を1日利用で6000円弱でした。継続的にオフサイト会議をやる場合は、オフィスがある区の施設も調べておくことをおすすめします)
また長い会議にはお菓子と飲み物も必須。メンバーに協力してもらって用意をしました。
個包装のお菓子が多いのにセンスを感じる
当日編②:承認と感謝のセッション
最初のセッションは「承認と感謝のセッション」です。
「HUNTER×HUNTER」ネテロ会長の修行自体っぽい、胡散臭いタイトルなのですが、大真面目にやりました。
目的:
メンバー1人1人の、存在・行動・成果を承認し、チームの心理的安全性を高める
やること:
1. 個々人で15分で、「やったこと」と「分かったこと」を振り返る
2. 1人が5分で発表する
3. 聴き手は3分で承認のメッセージをカードに記入する
4. 挙手制で、書いたメッセージを伝える
5. 2~4を人数分繰り返す
READYFORでは、「承認」を大切にしており、コミュニケーション研修を実施したり、チームによっては毎週同じようなWinセッションをしているチームもあります。
(詳しくは別記事「モチベーション高く仕事するヒントは、自己理解とコミュニケーションにあり」にまとめております)
プロダクトチームは、毎週そのような場を設けることはあえてしなかったので、下半期の節目ということもあり実施しました。
みんなが黙々とメッセージを書く
メッセージの達人、フロントエンドエンジニアの江面さん
この「承認と感謝のセッション」に関して参加したメンバーからは以下のような感想が寄せられました。
このセッションの感想を一部抜粋
本当〜〜〜に仲間のことをよく見ていて、感謝を伝えることをいとわないメンバーに恵まれていることが改めてわかったのでとても素敵な時間でした。いろんな人の良い面が、いろんな人の視点から聞けて、よかった。そして、気持ちよかった。
参加した11人全員で行ったので、このセッションだけで3時間かかりました(途中2回のトイレ休憩を挟みました)。このセッション後に、1時間のランチ休憩をとり、午後の方針共有と議論のセッションに移ります。
最後に、記入したカードの交換をしました
当日編③:6期方針の共有と議論
午後はプロダクトチームのリーダー、CTO町野による6期方針の共有のセッションでした。
この時間は、6月頭に大枠を共有されていた全社の方針や、チームの方針について理解・納得を進めることを目的にしていました。
ですので、いきなり6期の方針を話すのではなく、
町野の自己紹介(詳細版)→全社の長期方針を議論→6期チーム方針の議論
の流れで話が進めていき、随時メンバーからの質問や町野が投げかけた問いの意見交換という形で進行していきました。
当日の質問・テーマ一例
・町野さんの、人生最大のHARD THINGSは?
・会社のビジョン「誰もがやりたいことを実現できる世の中をつくる」と、中長期方針は結びついているのか?
・会社のミッション「想いの乗ったお金の流れを増やす」に当てはまる「お金の流れ」、当てはまらない「お金の流れ」ってなに?
具体的な内容は割愛させていただきます。上記のようなテーマについて、議論したい・探求したいという方はぜひ、以下よりご応募いただけましたら幸いです。
この6期方針の共有と議論の時間に関しては、参加したメンバーから以下のような感想が寄せられました。
このセッションの感想を一部抜粋
VISION/MISSIONのレベルからそもそもの議論をじっくりできた。そういう時間はなかなか取れたことがなかったので楽しかったです。より細かく方針を伺うことができ、気軽にコメントや質問することができる場だったから。
このセッションもがっつり3時間ほど実施しました。
このセッションをもって本編は終了したので、最後に当日のアンケートフォームに回答していただき、1dayMTGは終了しました。
議論が広がりそうな問いに「良い質問ですね!」と返す町野
MTGの振り返り
今後、同様のMTGを実施する方々に向けて、今回のMTGをKPT形式で振り返ります。
Keep:良かったところ/継続したいこと
・ファシリテーターを専門で置くことで、タイムテーブル通り進行できた
・1日のグランドルールの徹底。スライド+印刷して配布。
(参考: 5グランドルール)
・承認のセッションの際、カードを書いて読み上げる設計にして、発言時間の短縮と形に残るという2つのメリットを手に入れることができた
・ビジョン、ミッションや中期戦略など普段なかなか議論することができないことについて、理解や納得を深めることができた
Problem:課題/修正点
・普段、業務で直接かかわらないメンバーがいたので、承認のセッションであっても、緊張を強いてしまうケースがあった
・方針共有のセッションを、フリーディスカッションにしたため、議論のスピードにキャッチアップできるメンバーが限られてしまった
Try:改善案
・個別にMTG参加してもらうことへの期待値の共有と不安のヒアリングをする
・方針共有のセッションでは、フリーディスカッションに移る前に、全員がポストイットに質問や意見を記入→発表の時間をとる
以上で、READYFORプロダクト部門の1日MTGの振り返りを終えたいと思います。少しでも以下のような読後感が生まれていると嬉しいです。
この記事の想定している読者層と届けたい価値(再掲)
・READYFORに興味をもってくださっているPM・デザイナー・エンジニアのみなさまにREADYFORで働くことの端緒が伝わること
・同じように、長い時間のMTGの企画・運営を任された人にとって、少しでも「巨人の肩にのる」体験ができること
おまけ①:大いに参考にさせていただいた書籍
これまでfreeeさんやPLAIDさんの合宿レポート、書籍『カイゼン・ジャーニー』を記事で触れましたが、その他にもMTG企画において参考にさせていただいた(参考にしたかった)書籍があります。
『エンジニアリング組織論への招待』は控えめに言って名著です。
このMTGでは特に承認と感謝のセッションを実施する背景にある概念の整理に活用させていただきました。それ以外にも非エンジニアバックグラウンドの自分が、エンジニア的考え方をなぞるために辞書のように読ませてもらっています。
おまけ②:運営マニュアル、投影スライド、配布資料
すべて「ファイル > コピーを作成」で編集権限のあるコピーファイルを作成できます。
おまけ③:ゆるいフォトギャラリー
ランチ移動中。オフサイトMTGは雑談する余白がたくさんあります
「seventeen ice」にめっちゃ童心をくすぐられる
text by 江藤遥平
※Readyforではさまざまなプロジェクトが実行されています!