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「想いをつなぎ、叶える未来を、つくる」READYFORのエンジニア組織のあり方を示すTech Vision誕生

READYFORでは、以前から「非エンジニア/エンジニア」と職種で線引きせず、ビジネスとエンジニアリングが融合する組織づくりに励んできました。エンジニアリングが組織全体に広がっている状態=「乳化」を目指しています。

そんなエンジニアチームのあり方を会社のビジョンにつなげて言語化し、社内外に伝えていくためにつくられたのがREADYFORのTech Visionです。

「想いをつなぎ、叶える未来を、つくる」

そもそもなぜREADYFORのTech visionをつくろうと思ったのか。この言葉に込めた想いとは? そして今後、どんな組織づくりを目指していくのか。制作を担ったエンジニアチームの伊藤博志さんと岡村謙さんに語ってもらいました。

はじまりは、READYFORのエンジニアチームの認知を広げるTech Branding活動

ーそもそも今回、どうしてREADYFORのTech Visionの制定に取り組んだのでしょうか?

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(VP of Engineering 伊藤さん)

伊藤:発端は、昨年末からはじめた「Tech Branding活動」です。ミッションは、「READYFORがエンジニアのやりたいことを実現できる場として認知され、憧れの場所になっていること」。そのためにできることを考えるブランディング強化が目的でした。

エンジニアが最大限のパフォーマンスを発揮できるのは、内在的なモチベーションとして「やりたいこと」に取り組むことができている環境だと思っています。READYFOR には、その環境があるはず。それならもっと認知されるために動こうと、私と岡村さんが中心となり、週1回ミーティングの場で話し合うところからスタートしました。

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(Engineering Manager岡村さん)

岡村:多角的な視点で、「エンジニアがやりたいことって?」「僕らが達成したいことは?」と話し合いを重ねてきました。活動を開始した2019年11月時点では、Techブログの開設や勉強会を開いて情報発信をすることを検討するなど、手探りでした。

伊藤:今年3月になってコロナによる自粛でリアルな場で集まる活動が難しくなり、もう一度、Tech Blanding活動の目標を考え直しました。

そこで出てきたのが、エンジニアチームのあり方を言語化し、会社全体だけでなく社外にも通じる共通認識をつくること。つまり、Tech Visionの制定です。

READYFORのエンジニアがどんな集団なのかを言語化すれば、登壇資料や採用にも活用できます。当初からの目的であるTech Brandingの強化にもつながる。そこから、エンジニアチームのビジョンを明確にする長い道のりが始まりました。

READYFORのエンジニアリングが目指すのは、プロダクトの力で未来をつくっていくこと

ーその過程を紐解きながら、完成したREADYFORのTech Visionのに込められた想いについてお聞きできたらと思います。

伊藤:はい。今回制定したREADYFORのTech Visionは、「ビジョン」と「組織とのあり方」と「バリュー」の三要素で構成されています。

まず、大きく掲げたビジョンは、「想いをつなぎ、叶える未来を、つくる」です。

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ーこの言葉に込めた想いはどんなものですか?

伊藤:プロダクトの力で会社のビジョンを実現していく。それがエンジニアリングを通じて私たちがやりたいことです。

会社のビジョンとミッションをを実現していくための基盤となるのが、プロダクト。READYFORで言えばクラウドファンディングのウェブサイトやその裏側のお金の流れをつくるための仕組み、また今後つくっていこうとしている新しいお金の流れの仕組みです。ビジネスサイドが考えたサービスが、テクノロジーによって実現される。その結果、会社のビジョンにより近い未来がかたちづくられる。

READYFORのビジョンは、「誰もがやりたいことを実現できる世の中をつくること」。

そのビジョンを実現するために、プロダクトの力で、さまざまな人の想いをつなぎ、やりたいことを叶える未来をつくっていくという意志を言葉にしました。

岡村:話し合いの過程で、「自分たちは何者なのか?」を掘り下げていきました。そこで得た気づきは、エンジニアチームが良いとしている行動は、会社のコアブランドとつながっているということ。会社が持っているビジョンと行動指針との一貫性を軸に、Tech Visionをつくることを重視しました。

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伊藤:Tech Visionのヒントになったのが、パーソナル・コンピューターの父と呼ばれた科学者、アラン・ケイの言葉です。

「未来を予測する最も確実な方法は、それを発明することだ(The best way to predict the future is to invent it.)」

これが「これまで想像していなかった未来を、自分たちがつくっていく」というエンジニアがやりたいことにリンクするという気づきから、思い浮かぶキーワードを並べ、かたちにしていきました。

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サブタイトルは「Ready for building it?」と、あえて疑問形にすることで、「未来をつくっていくのは我々であり、あなただ」という意味を込めています。

「乳化」とは、ミッション実現のために自分たちが大事にする組織の状態

ー「ビジョン」の次に、「組織のあり方」として、これまでもエンジニアチームが大事にしてきた「乳化」という言葉が出てきますね。

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伊藤:はい、以前から「乳化していこう」は、私たちエンジニアチームの合言葉です。そもそもこの言葉は、日本CTO協会理事である広木大地さんの「エマルション現象」を参考に、CTOの町野が「READYFORは乳化する組織にしていこう」、と号令をかけたのが発端です。

ソフトウェア技術者とビジネスラインの人々の考えにギャップがある組織は珍しくありません。READYFOR では、水と油が卵を加えることによって「乳化」してマヨネーズになるように、エンジニアリングが組織全体に広がる状態を目指して築いています。

上に掲げたTech Visionの実現のために、大事にしていることとして「乳化」を打ち出すことが、差別化になると思いました。

岡村:乳化は重視する組織の状態であって、目指すビジョンやミッションではありません。それこそ、はじめは「乳化」がビジョンなのでは?という議論もありましたが、何度も乳化の本来の意味に立ち返ることで、常に意識し続ける自分たちのあり方だと、腹落ちしました。

会社のバリューにエンジニア個人の経験が溶け込み生まれた行動指針

ー「ビジョン」、「組織のあり方」、そして最後に「バリュー」として掲げたのがこの7つの行動指針ですね。

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岡村:Tech ValueもTech Visionと同様、READYFOR の行動指針に紐づいています。

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この会社の7つの行動指針を、僕や伊藤さんのこれまでの体験や視点を活かしてエンジニア文脈に置き換えています。

今回良かったと思うのは、これまでREADYFORという会社が長年培ってきたものに、CTOの町野さん、伊藤さん、僕、それぞれバックグラウンドが違う人間の視点を掛け合わせることができた点です。たとえば、「日常をハックする」という言葉など、僕らがこれまでエンジニアとして大切にしてきたことや美徳が細かいところに反映されているんです。

ー振り返ってみて、Tech Visionを決める過程で大変だったことはありますか?

伊藤:僕らはエンジニアであって、キャッチコピーをつくるのはド素人なので、生みの苦しみという点ではすべて大変でしたね(笑)。

岡村:コロナの影響でミーティングがすべてオンラインになった頃が一番苦労しました。互いの頭のなかにある、ふわっとした焦点をすり合わせるのが難しかった。ホワイトボードが使えないので、電子ボードの「JamBoard」に絵をかいて共有するなど、工夫して乗り切りました。

伊藤:でも、根本的なところから問い、一から自分たちで考え抜いたからこそ、納得のいく、自分たちらしいTech Visionができたと思っています。

Tech Visionをどうやって実現するか、ロードマップを描いていく

ーこのTech Visionは実際に現場でどう活かされていますか?

伊藤:7月の7期の全社キックオフで、会社が考えるエンジニアリングのビジョンとして公表しました。

社内において一部のプロダクト開発チームではさっそく、「今週は、『Disagree&Commit』をちゃんと実践しましょう」という感じで、短期的に重視する行動指針の共有をはじめています。

社外向けには、Developers Summit 2020 Summerに登壇する際、資料として活用しました。「乳化」をテーマとして話し、READYFORのエンジニアチーム がどんな組織か伝えるのに役立ちましたね。

ーこのVisionをもとに、エンジニアチームがこれからやっていきたいことを教えてください。

伊藤:Tech Visionは完成しましたが、次の段階ではビジョンをテクノロジーで実現していくロードマップの可視化が必要です。

既存のエンジニアやこれからジョインしてくださる方々ががREADYFORのプロダクトロードマップをイメージして自律的に動いていけるよう、Tech Visionを実現していく具体的なマイルストーンに落とし込んでいこうと考えています。

岡村:7つのTech Valueを体現できる人は、会社の求める行動指針を満たしている人です。採用の評価軸や人事評価でも利用できたらいいなと考えています。

長期的観点では、組織は変わっていきますが、人が増えて体制が変わっても、このTech Visionが大切にされるとうれしいですね。

伊藤博志
VP of Engineering

READYFORのエンジニアリング部門を統括し、エンジニアの組織づくりとアーキテクチャー設計全般に関わる。ビジネスとエンジニアリングの乳化を目指したエンジニアリングカルチャーをつくりながら、「想いの乗ったお金の流れを増やす」ためのプロダクト開発に従事。
岡村謙
Engineering Manager
エンジニアリングマネージャーとして組織づくり、アーキテクチャー設計に関わる。フロントエンドからバックエンドまで幅広い技術を利用しプロダクト開発に従事。
text by サトウカエデ edit by 徳瑠里香

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