アントラーズと子どもたちの未来を一緒につくりたい。3億円を掲げたクラウドファンディングに挑む想い
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アントラーズと子どもたちの未来を一緒につくりたい。3億円を掲げたクラウドファンディングに挑む想い

今年10月1日にクラブ創設30周年を迎えた鹿島アントラーズは現在、クラブハウスの近隣にアカデミーの専用グラウンド「アカデミーフィールド(仮称)」を新設するためのクラウドファンディングを実行中です。

目標支援金額は3億円。なぜ今、アカデミー専用のグラウンドをつくるのか。3億円という大規模クラウドファンディングに挑戦する理由、そして本プロジェクトが掲げる「アントラーズの未来をみんなで」にこめられた想いとは――?

公開中のプロジェクトの舞台裏に迫るべく、元日本代表で、現在は鹿島アントラーズのC.R.O(クラブリレーションズオフィサー)を務める中田浩二さんと、鹿島アントラーズマーケティンググループの寺嶋博信さんに話をうかがいました。

コロナ禍でも未来を見据えて
アカデミーの歩みを止めないために

── 9月3日よりクラウドファンディング「アントラーズの未来をみんなで」がスタートしました。まずは本プロジェクトを企画した背景から教えていただけますか。

寺嶋博信さん(以下敬称略): アントラーズは創設当初からクラブの哲学を継承する選手を育てるため、アカデミー(育成組織)の充実に力を注いできました。

もともと「アカデミー専用のグラウンドをつくりたい」というのは、アカデミーに携わる全員の願いとしてあって。ユース監督の柳沢敦や、テクニカルアドバイザーの小笠原満男、そしてここにいるクラブリレーションズオフィサーの中田浩二が中心となり、「このコロナ禍においてもアカデミーの歩みを止めてはいけない」と協議を重ね、アントラーズらしく大きな挑戦をすることにしたんです。

中田浩二さん(以下敬称略): アントラーズが、これからもこの地域で、常にタイトル争いをしていくためには、間違いなくアカデミーの環境整備が重要です。海外へ移籍する選手が多くなり、チームのサイクルが早くなっているなかで、自分たちでアカデミーからトップにあがる選手を一人でも多く育てていきたい。そのためには、柳沢や小笠原をはじめとする現場の人間が日々感じている課題を解決するために動く必要がありました。

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── アカデミーは、環境面でどのような課題を抱えているのでしょうか。

中田: 現状では、ユースが保有している天然芝のグラウンドはありますが、年3~4回ほど芝の養生期間などで使えない時期があり、その間は市が保有している施設などを借りています。子どもたちは練習場を転々としている状態です。

── アントラーズアカデミー専用のグラウンドができれば、しっかりと一つの場所で集中して練習できるようになるわけですね。

中田: そうなんです。このコロナ禍において、自分たちで立てた計画通りに練習できるようになるのは利点が大きいです。

また、アカデミーフィールドでは、子どもたちが将来Jリーグで活躍することを見据えて、天然芝に近い、しなやかな人工芝を採用します。怪我のリスクも少なく、思いきりプレーできるようになります。

専用のグラウンドをつくる意義は、もう一つあって。それはアカデミーにおいて縦の連携が生まれること。ジュニアはジュニアユースが、ジュニアユースはユースがどんな練習をしているのかを間近で見られるようになる。次のステージに上がるためには何がどこまで必要なのかをイメージできるようになるんです。

それは子どもたちに限った話ではなくて、指導者も同じ。近い場所にいれば、コミュニケーションや意見交換もしやすくなりますし、アカデミー全体で強くなっていけます。ヨーロッパや南米では、以前からそのような環境ができているんですよね。日本もそうなっていかなければと思います。

アカデミーフィールドをつくる意義は大きいですし、早くできればできた分だけ、いい選手が育っていくはずです。

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リターンの目玉は「アカデミー×OBのスペシャルマッチ」

── クラウドファンディングのリターンの目玉として「アカデミー×OBのスペシャルマッチ」観戦が用意されています。このリターンを企画したのも中田さんですか?

中田: リターン内容は柳沢や小笠原と何度も話し合いを重ねて、いろいろなアイデアを出し合いながら、決めました。

「アカデミー×OBのスペシャルマッチ」は、僕たちにとっても初の試みです。アントラーズの伝統をつくりあげてきたOBたちが、将来、アントラーズの選手としてプレーすることを夢みるアカデミーの選手たちと対戦します。

いまちょうどOBと調整しているところで。これまでに発表されたメンバーのほか、最終的には30人以上集まる予定です。

※出場予定メンバー(10月12日時点)
本田泰人、名良橋晃、本山雅志、新井場徹、野沢拓也、青木剛、内田篤人、柳沢敦、小笠原満男、曽ケ端準、中田浩二、土居聖真、町田浩樹、上田綺世、沖悠哉、染野唯月

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── めちゃめちゃ豪華ですね……!

中田: ただ単に、「アカデミー専用のグラウンドをつくります。だから支援してください」と言うことは簡単ですが、一方的にお願いするだけでは意味がないと考えていました。

今回のプロジェクトを通して実現したいのは、“みんなでアントラーズの未来をつくっていく”、ということです。だから、どんな企画をすれば、みんなに喜んでもらえるか。どんな内容なら、“みんなの手でアントラーズの未来をつくった”と感じられるかを考え、スペシャルマッチという形になりました

今回のスペシャルマッチは30分×5本。通常の90分ではなく、試合を細かく分けたことにも意図があります。中学1年生から高校2年生、できるだけたくさんの子どもたちに、プロとして活躍してきたOBのプレーのすごさだったり、厳しさだったりを味わってほしかった。カシマスタジアムで、ファンやサポーターが見ている中で試合をする体験をしてほしかったんです。

── 「アントラーズの未来をみんなでつくる」という意味をこめて、リターンも“参加型”になっているんですね。

中田: はい。アカデミーにもいい選手がたくさんいますから、おもしろいプレーをする子や、キラリと光る逸材を見つける楽しさを味わえますし、この試合に出場した子どもたちがトップにあがっていけば、「あの子、スペシャルマッチに出ていた子だよね」「実は俺、前から目をつけてたんだ」と言えるかもしれません(笑)。

親心といいますか、支援してくださった方々に見守ってもらって、応援してもらって、みんなで子どもたちを、アントラーズの未来を育てていきたいんです。

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もちろん、OBの僕らも真剣勝負でやりますから。久しぶりにプレーする姿を純粋に楽しんでもらえたらと思っています。

スペシャルマッチの観戦チケットだけではなく、試合に出場したり、ボールパーソンとして参加したり、OBたちと直接交流するリターンもあります。もちろん観戦以外の返礼もありますので、ぜひクラウドファンディングのページを見てみてください。

10年後20年後のアントラーズを一緒につくっていきたい

── クラウドファンディングの意義や可能性については、どんなふうに捉えていらっしゃいますか。

寺嶋: 鹿島アントラーズがクラウドファンディングを行うのは今回が2回目です。昨年、コロナ禍で厳しい経営状況の中、全国のサポーターやファンから多くの支援をいただき、クラブを支えてもらいました。

「いつも応援しています」「こういう形でチームに貢献できてうれしい」といった、たくさんのメッセージをいただきました。本当にありがたかったです。全体練習のチームミーティングの前に時間をもらって、応援の声を選手にも届けました。選手にとっても、大きな力になったと思います。

リターンを通じて、支援してくださった方と交流を図れることがクラウドファンディングの魅力だとも感じました。クラウドファンディングは、単なるお金集めではなくて、ファンやサポーターと双方向で関わっていく手段なんだと。アントラーズの未来をみなさんとつくっていきたいという想いがあるからこそ、今回もクラウドファンディングに挑戦しようと思えました。

中田: 今回のプロジェクトでも、応援コメントを読んでいます。リアルな声が届くのがうれしいですよね。みなさんにとって大事なお金を出して、応援していただけていることをひしひしと感じますし、支援してくださった方の気持ちを無駄にしてはいけないと思っています。

── 応援コメントから、アントラーズとファン・サポーターとのつながりの深さが垣間見えます。

中田: アントラーズって、“ファミリー”という言葉をよく使うんです。選手も、フロントも、ファンやサポーターもみんな、ファミリーだと思っています。今回のプロジェクトに参加することで「これからのアントラーズを一緒につくっていこう」「アントラーズの未来に、子どもたちに一緒に投資しよう」と思ってもらえたら、ありがたいです。

寺嶋: 加えて、今回つくろうとしているアカデミーフィールドは、アントラーズ専用のグラウンドではありますが、選手育成の拠点のみならず、地域の子どもたちの交流の場でもあります。クラブ主催の催しも行っていきます。地域のフットボール文化、スポーツ文化の発展に貢献できればと考えています。

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(プロジェクト応援コメントより)

── 最後に、支援者へのメッセージをおねがいします。

中田: 今回のプロジェクトで「アカデミー×OBのスペシャルマッチ」などさまざまなリターンを用意しています。ただ、支援してくださった方への“本当の意味でのリターン”は、もっと先にあると思っています。

アカデミーフィールドで育った子たちが、アントラーズでレギュラーになったり、日本代表に選ばれたり、海外で活躍したり。そういう未来を実現することが本当の意味でのリターンになる。そうなったとき、心から「あのとき、支援してよかった」と感じてもらえるんじゃないでしょうか。

たとえば、10年後20年後に、ピッチに立っている11人全員がアカデミーフィールド出身の選手だったとしたら、最高ですよね。それは今回支援してくださる方にとっても誇らしいことだと思いますし、それが「アントラーズの未来をみんなで」という言葉にこめられた想いでもあります。その通過点でもある今回のクラウドファンディング。ぜひ楽しんで、参加してもらえたら、うれしいです。

中田浩二さん
元サッカー日本代表。帝京高校を卒業後、鹿島アントラーズへ加入。主にボランチ、センターバックとして活躍。
在籍中に計11個の国内タイトル獲得に貢献し、日本代表としても2002年と2006年ワールドカップに出場。2014年シーズン限りで現役を引退し、翌年より鹿島アントラーズのC.R.O(クラブ・リレーションズ・オフィサー)に就任。スポンサー、パートナー、サポーター、行政機関などのステークホルダー(利害関係者)とクラブをつなぐ役割を担う。
寺嶋博信さん
鹿島アントラーズ マーケティンググループ地域連携チーム所属
text by 猪俣奈央子 edit by 徳瑠里香 
 photo by ⒸKASHIMA ANTLERS

#プロジェクトへの想い


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