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いきものと生きる未来を守りたい。動物園・水族館がクラウドファンディングを活用してできること

絶滅の危機にある野生動物の命をつないでいきたい。コロナ禍、休園を余儀なくされた動物園で暮らす動物たちを守りたい。

そんな想いを持って、動物園をはじめ小さき生き物に係る人たちが、大切な動物の命を守るための資金を集めるクラウドファンディングに挑戦しています。

READYFORでは、動物とともに生きる未来を守るためのプロジェクトが数多く実行されてきました。現在、実行しているプロジェクトもあります。

今回は、その事例と応援の声をご紹介します。

動物たちに新型コロナウイルスの影響を与えないために

陸と海の動物、遊園地、博物館もある複合的なテーマパーク、和歌山アドベンチャーワールド。140種1,400頭の動物を飼育し、ジャイアントパンダの繁殖をはじめ、希少種の未来を創り続けています。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、臨時休園に。その期間中、動物に係るスタッフの新しい勤務体制も導入しました。自粛や変化が求められる中でも、大切なパートナーである動物たちが変わらず、健やかに生き生きと暮らせるように。動物たちの食事代や環境整備費用を集めるプロジェクトが立ち上がりました。

3,255人もの支援者より、目標金額の500万円を上回る70,383,000円が集まりました。同時に、たくさんの応援メッセージも寄せられています。

アドベンチャーワールドには、いつも癒しと元気を貰っています。私の大好きな場所です。将来はそんなアドベンチャーワールドで働くことが夢です!
スタッフの皆様、お身体に気をつけて頑張って下さい。ずっと応援しています!
大好きなジャイアントパンダの結浜にいつも元気をもらっています。3年前に結浜に魅了されて以来、パンダファミリーはずっと心の支えです。そんなパンダファミリーはじめ、全ての動物たちが不自由なく幸せに暮らせることを願い、微力ながら参加させて頂きました。いつも動物たちと向き合い、笑顔で迎えてくださるスタッフの方々にも感謝しています。大変な状況だと思いますが、どうかお身体にお気を付けて、甘えんぼうな結浜はじめ動物たちのことをよろしくお願いします。

こうして届いた応援メッセージに、スタッフ一同本当に励まされたと言います。

集まった資金は、パークの動物たちが生き生きと暮らすために必要な食事や環境を整えるために使われています。たとえば、500万円は、ジャイアントパンダファミリー(6頭)の食事代、約2か月分に当てることができます。

動物園を存続させ、動物たちが健やかに過ごせるように

保護した動物が暮らす、福岡県飯塚市の「ふれあい動物園ピクニカ共和国」。新型コロナウイルスの影響で営業自粛、全国へ動物を連れて行く「移動動物園」もキャンセルとなり、経営が危ない状況に。

20年続く動物園を存続させ、そこで暮らす動物たちを守るために。保護した動物の飼育費と医療費を担う、クラウドファンディングを実行しました。

703人の支援者から、目標金額の150万円を大きく上回る6,708,000円の資金が集まりました。動物たちを保護する活動への共感や感謝、応援の声が多く集まっています。

小さい頃に、移動動物園で動物たちとふれあう経験をしたのを今でも覚えています。そして今は、地元飯塚で教員をしており、生徒たちが体験活動等でピクニカ共和国にお世話になることも多いです。そんな思い出の場所をこれからも大切に残していきたいと思い、わずかではありますが支援させていただきました。これからもずっと応援しています!
生き物の命はすべて平等であるはずなのに、動物は数を減らし、絶滅に追い込まれ、酷い虐待を受け傷ついています。すべて人間の所業なのに、私には涙を流すことしかできません。せめて、ピクニカ共和国にたどり着けた子たちには、平穏で幸せな未来が待っていることを願わずにはいられません。動物たちのシェルターになってくださって、ありがとうございます。少しの支援しかできませんが、これからも心を寄せていきます。

「ふれあい動物園ピクニカ共和国」は営業を再開、クラウドファンディングをきっかけにに足を運んだ人も多くいたようです。

希少動物を救い、自然環境を守りたい

野生動物や環境の保護・保全・啓発に力を入れている動物園、那須どうぶつ王国。ニホンライチョウ、ユーラシアアカワウソ、レッサーパンダ、ホッキョクオオカミなどの希少動物を、種の保存保護を目的に飼育、繁殖しています。

コロナ禍の臨時休園により、収入源の苦境に立たされる中、保全活動への取り組みが困難となり、人件費や飼育料といった動物管理費にも影響が及んでいます。

希少な野生動物を救うため、飼育している動物たちを守るため、プロジェクトを実行中です。

第一ゴールの1000万を達成し、3000万円以上の資金を集め、1800人を超える支援者から応援の声が届いています。

追加で支援さていただきました!母、私、娘と3代で楽しませてもらっています。私がそうだったように、娘にも命や自然の大切さを楽しみながら、学んでもらえたらと思います。近々遊びに行く予定で、レッサーパンダの赤ちゃんやオオカミさん、スナネコファミリーに会えるのがとても楽しみです♪これからも応援してます。スタッフの皆さん、動物たち頑張れー!
大変な状況の中、毎日動物達のお世話を頑張っている皆さんには頭が下がる思いです。マヌルネコのアズとエルに会いたくて、昨年初めて訪れてから、すっかり王国のファンになりました。かなりのおばさんですが、ひとりでで二時間半運転して行く事も・・・ひたすらに生きている姿に大事な事を教えてもらっている気がします。可愛らし姿には本当に気持ちが和らぎますし、野生の姿を垣間見ると感動します。環境問題などもあり厳しい事だとは思いますが、野生下でも飼育下でも、動物達が生きる環境が少しでも良くなる事を望みます。

現在は、動物のためにできることを増やしていくため、5000万のネクストゴールに挑戦中です。興味のある方はぜひ、プロジェクトページをのぞいてみてください。

絶滅の危機にあるライチョウを救いたい

トキと同じく国の特別天然記念物でありながらも絶滅危惧種に指定されている鳥、ライチョウ。その生息数は2000羽を切ったと言われています。

ライチョウを絶滅から守るべく、11の動物園からなる「ライチョウ域外保全プロジェクトチーム」の富山市ファミリーパークがプロジェクトを実行しました。

目的は、ライチョウを絶滅の危機から救うために、飼育・繁殖技術を蓄積し専門の人材育成を進めることと、差し迫った現状を広く訴えていくこと。

1,174人の支援者から、目標の1000万円の倍以上、26,265,000円が集まりました。資金と同時に、応援の声も多く集まっています。

動物園勤務の知人からライチョウが危機的状況であることを聞いており、以前から気にはなっておりました。そのため、今回のクラウドファンディングはとても良い機会となりました。この素晴らしい生物が図鑑の中だけの存在になってしまうのはとても寂しいことです。そのような未来を回避するためにも、微力ながら応援させていただきます。
周りからライチョウが一羽、一羽と減っていき、仲間と会えなくなったライチョウはどんなにさみしいことかと思います。温暖化による融雪の早期化、シカなどの食害、観光客の増加などで生息地の環境の危機が懸念される中、ライチョウ保護増殖事業が成功し、ライチョウが絶滅の危機を回避できることを心より祈っています。

プロジェクト終了後、飼育・繁殖技術を蓄積し、2019年に増加したヒナは15羽。2020年も着実にヒナの数は増えています。ライチョウ域外保全プロジェクトチームは、「ライチョウが自然状態で安定的に存続できる未来」を最終ゴールに、今日も飼育・繁殖に取り組んでいます。

READYFORのフルサポートプランでは、動物たちにまつわるプロジェクトに対して、担当キュレーターがしっかり伴走していきます。そして今年から、動物園・水族館などの施設を専任で担当するチームも発足しました。

また、支援者に対して送るリターンも、必ずしも特別なものをご用意いただく必要はありません。多くのプロジェクトが「リターン不要」の支援枠を設けたり、動物たちと触れ合う入園パスポートなどをお送りしたりしています。

動物にまつわるプロジェクトを実行してみたいという方は、気軽にREADYFORの窓口までご相談ください。

あるいは、動物・水族館などの施設のプロジェクトの専任担当者まで直接ご連絡ください。

鈴木千里(動物園水族館担当/リードキュレーター/准認定ファンドレイザー)chisato.suzuki@readyfor.jp