「資本主義ど真ん中で培った力で、そのオルタナティブをつくる」コンサル出身者の人生を賭けた挑戦
「どんな志を抱いて働いていますか?」
この問いに、言いよどむことなく、まっすぐに答えられる人は少ないかもしれません。
ただ、自分自身の心の奥にある想いと、会社が目指している世界が重なったとき、人は幸せに働き続けられるのかもしれない。そんなことを感じさせてくれたのは、READYFORの林田翔太さんです。
林田さんは2019年に大手コンサルティングファームからREADYFORに入社。現在、執行役員・クラウドファンディング事業本部 副本部長を務めています。
「今、没頭できるものに人生を賭けたい」と転職を決意した林田さん。彼が志す資本主義のアップデートとは? READYFORへの転職動機や現在の仕事の醍醐味、そしてこれから実現したい世界について話を伺いました。
未来のために今を犠牲にして、キャリアを積み上げていくレースから外れよう
── 林田さんは、前職では、どのようなお仕事をされていたんですか。
新卒でコンサルティングファームに入社し、6年程、経営コンサルタントの仕事をしていました。大手メーカーやハイテク企業のビジネスデューデリジェンスや事業戦略策定、業務改革、中央省庁への調査提言などに幅広く携わっていました。
実は、前職での初めてのプロジェクトは、NPO法人のファンドレイジング戦略立案だったんですよ。そのNPOは、現在もREADYFORでクラウドファンディングを行ってくださっていて……偶然ながらも、うれしいご縁だなと感じています。
── そもそもなぜ、就職先としてコンサルティングファームを選んだのでしょう?
僕は、小学校から大学まで、ずっと野球に打ち込んできた人間で。ただ、この先もずっと野球の世界で闘っていくほどの素質や情熱を持ち合わせてはいませんでした。
明確にやりたいこともなく、就職先を迷っていたときに瀧本哲史さんの『僕は君たちに武器を配りたい』という本を読んで。これから競争が激化するグローバル時代に備えなければと危機感を覚えました。コンサルティングファームなら、さまざまなビジネスに触れられ、やりたいことを見つけられるだろうと思いましたし、やりたいことが見つかったときに、その仕事に就けるだけの力を身につけたいと考えて、志望したんです。
── コンサルティングファームで経験を積んだ後、なぜREADYFORに転職を?
転職活動を始めた当初は、コンサルティングの中でもM&Aに特化した会社に行けば、もっと市場価値が上がるかなと考えていたんですが……なにか違うなと。
もう、そういう既存の枠組みで競争し、未来に何かを得るために今を犠牲にしてキャリアを積み上げていくレースから外れてもいいのかもしれない。そう思い、スタートアップを中心に転職先を探していたときに、紹介されたのがREADYFORでした。
ここでなら、残された人生を、本当にやりたいことのために使える。今、没頭できるものに人生をベットしたいとREADYFORへの入社を決めました。
資本主義をアップデートさせるヒントが、READYFORにはある
── 「今、没頭できるもの」が、READYFORにありそうだと思われたんですね?
そうです。もともとREADYFORのことを知っていたわけではありませんでした。紹介されたときも「クラウドファンディングの会社なんだな」と思った程度だったんです。
でも、面接で代表取締役COOである樋浦と話をして。READYFORが、「資本主義では流れづらい領域にお金の流れをつくろうとしていること」や「資本主義では解決できない課題を解決しようとしていること」を知って、僕自身がもともと資本主義への問題意識を持っていたことを思い出したんです。
── 資本主義への問題意識ですか……?
はい。資本主義は、人類の生活を引き上げた素晴らしいシステムですが、その反面、人が幸福になりづらい構造を内包していると思います。
消費とは「欲求」を「お金」で解消すること、ですよね。欲求とは理想と現実のギャップから生まれるもの。自分で解決できないことをお金という媒介手段を使って解消することが、消費です。
つまり、消費させる側としては「自分では満たせない欲求をどれだけつくれるか」が重要になる。資本主義は、満たされない世界を、加速させ続ける社会的なOSなのではないかと感じて。
── だから、構造として、人が幸福になりづらいと。
そう感じています。それと同時に、利益を追求する資本主義のど真ん中にいて、優秀かどうか、使えるかどうかといった評価の視点で、人がまるで“商品”のように消費されているような感覚があったんです。
人が商品として資本主義に組み込まれている。働き手もまた、無意識・意識的問わず市場価値を上げることが最優先となり、本当に大事にしたいことを置き去りにしてしまいがちになっているし、そう仕向ける資本主義の力学があると感じます。
本当に大事にしたいことを蔑ろにしないでほしい。人以外の自然環境も含め、短期的にお金を増やすことにすべてが最適化するように仕向けてしまう構造を変えたい。そんな怒りにも近い想いが、自分の中にあったことを、樋浦との面接で思い出したんです。
寄付や支援というのは、資本主義のお金の流れとはまったく異なるものですよね。資本主義をアップデートさせるヒントが、READYFORにはあるのではないか。ここなら、自分が持っていた問いを、探求し続けられるかもしれない。
「資本主義的な流れを加速する」ことから「資本主義のど真ん中で培った力で、そのオルタナティブをつくる」ことにシフトしたい。そんな想いで入社を決めました。
志を同じくする仲間と、ビジョンの実現に向けて力を尽くす
── 2019年にREADYFORに入社され、経営企画やマーケティング部長、事業企画部長を経て、今年4月に執行役員に就任されました。現在は、どのような役割を担われているんですか。
今は執行役員・クラウドファンディング事業本部の副本部長として、「想いの乗ったお金の流れを増やす」というミッションの実現に向け、本部として何にエネルギーを注ぎ、何にエネルギーを注がないのか、先を見据え決めること、決めたことをやりぬける環境をつくることに取り組んでいます。
執行役員というのは、あくまで役割でしかありません。最終的に価値を社会に届けていくのは、現場の最前線にいる一人ひとりです。全メンバーが自分の想いとREADYFORのビジョン・ミッションに重なりがあるからこそ、今一緒に働けていると思っています。人生の大切な時間をREADYFORに使うと決めてくれた仲間のエネルギーが、「誰もがやりたいことを実現する世の中をつくる」こと、「想いの乗ったお金の流れを増やす」ことに最大限活かされる環境をつくるのが、私の役割だと捉えています。
── コンサル時代と比較し、仕事のやりがいや面白さは変わりましたか。
そうですね。コンサル時代に携わるプロジェクトは、戦略検討だけで実行は見届けられない、特定された範囲の課題解決だけ、というケースも多かったため、組織も含め事業全体を有機的に理解することは、あまり経験できませんでした。
リアリティを持って目標にコミットしていく醍醐味や、多様な仲間とビジョンの実現に向けて協働していく楽しさ、そしてなにより「なんのために仕事をするのか」という根っこの部分が違いますよね。
── まったく異なる環境に飛び込んでも、林田さんが仕事を楽しめているのは、なぜなんでしょう。
僕自身になにか秘訣があるというよりは、READYFORという器が自分に合っていた気がします。
共感できるビジョンを掲げている会社に、志を同じくする多様なプロフェッショナルが集まっている。経営チームからメンバーまで全員のことが好きだと思える環境で、仲間と共にビジョンの実現に向けて力を尽くせる。幸せなことですよね。
社風としても、すごく誠実だなと思います。経営チームで意思決定をするときに「この判断はビジョン・ミッションに沿っているか?」という論点で長い時間をかけて、話し合う場面を何度も目にしました。たとえ短期的に利益が上がることでも、READYFORの存在意義を鑑みて、筋が通らないことは絶対にしない、そんな会社なんです。
目指すのは、みんなが“ありのまま”で生きられる世界
── あらためてお聞きします。林田さんご自身が追求したいテーマでもあり、READYFORのミッションにも通じる“資本主義のアップデート”は実現していけそうでしょうか。
READYFORが創業当初から展開してきたクラウドファンディングは、資本主義のお金の流れとまったく違うと感じています。通常のお金の流れは「取引」であり、お金と商品、同等の価値が交換されます。そして取引が終われば、その関係は終了です。
ただ、クラウドファンディングには、お金を受け取る側だけでなく、お金を出す側も何かを受けとっている感覚がある。単なる等価交換ではなく、価値が増えていくものなんです。また、出し手と受け手のあいだに、ある種の関係性も生まれます。
クラウドファンディング事業をはじめREADYFORが取り組んでいるのは、従来の資本主義とは違うお金の流れを生み出していくこと。価値の総量を増やし、エネルギーの連鎖を起こし、関係性を創造していくこと。とても大きな意味を感じています。
資本主義のアップデートというと壮大ですし、まだまだ出来ていないことも多く課題は山積みですが、人生を賭けて探求し甲斐のあるテーマだと思っています。
── 最後に、林田さんがREADYFORでの仕事を通して「実現したい世界」について聞かせてください。
できるだけ、みんなが“ありのまま”で生きられるといいなと思っています。その先にあるのは、つながりとか、自己実現にあふれた世界なんじゃないかなと想像しているんです。
クラウドファンディングって、自分の想いを世界に伝えていくことですよね。実行者には、「応援してほしい」「実現のために力を貸してほしい」と、世界に訴えたいほどの強い想いがあります。すべての実行者に純粋な尊さを感じますし、当たり前に“ありのまま”の想いを伝えられる社会になればと願っています。そして、その想いを受けとって、人と人とのつながりが生まれ、エネルギーの連鎖が生まれていく世界になったら素敵ですよね。
実は新卒でコンサルティングファームに入社したとき、志望動機に「志を持ち、成し遂げながら、誰かの志を支えたい」と書いていました。正直なところ、当時は、この言葉の本当の意味がわかっていなかった。でも今は、純粋に、「志を持ち、成し遂げながら、誰かの志を支える」世界をつくるために日々奮闘していると、胸をはれます。同じ船に乗って、資本主義のアップデートという壮大なテーマに挑んでくれる仲間を心待ちにしています。
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