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ねこの殺処分をゼロへ。保護されたねこのいのちをつなぐクラウドファンディング「#ねこの日基金」

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これは2020年度に殺処分された、ねこの数です。ここ10年で着実に減少しているものの、いまでも日本全国で2万頭近くのねこの命が奪われてしまう現実があります(*環境省の発表より)。

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この厳しい現実に日々立ち向かっているのは、民間のボランティアの方々。一頭でも多くのねこのいのちを守るため、最前線で行動し続けています。

ボランティアで活動する方々の訴えや行動をきっかけに、行政が譲渡活動に力を入れ始めたことも相まって、全国の保健所や動物愛護センターに引き取られたねこのうち、約56%は新しい飼い主を見つけ、その命をつないでいます。

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しかし今、コロナ禍による運営資金の枯渇や譲渡の停滞などで、ねこたちにとって「最後の砦」となるボランティアが多頭飼育崩壊(適正に飼育できるねこの数を超えて飼育が困難になること)を起こす可能性が出てきています。

コロナ渦で譲渡会が開催できず、里親さんが決まらない。里親さんが決まらないと、ボランティアの個人や団体が飼育するねこが増えていき、経済的にも物理的にも、手に負えなくなってしまう。人手が足りず、新しい命を救う場所がない。その間、保健所に引き取られたねこが、命の期限を迎えてしまうかもしれない。

そんなジレンマの中で、熱意と愛情を持って保護活動に力を入れる全国のボランティアの方々を支援するため、クラウドファンディング「ねこの日基金」が始動。寄付を募っています。

ねこたちにとって、シェルターは命をつなぐ仮の住まいです。ねこはねこらしく、自由でしあわせに生きてほしい。だからこそ、その子だけの家族が見つかってほしい。

譲渡活動の促進を目指すこのクラウドファンディングで、その家族探しを応援します。

ねこたちが幸せになれる、“正しい譲渡”を行うために

ここからは、実行者である公益財団法人どうぶつ基金 佐上代表の声をお届けします。

地域で暮らす飼い主のいないねこの繁殖を手術によって制限し、捕獲した場所に戻して一代限りの命を全うしてもらうTNRという活動(T:トラップ=捕獲、N:ニューター=避妊去勢手術、R:リターン=捕獲場所へ戻すの略。「地域猫活動」とも言われる)をやってきましたが、どうしてもねこを”戻せない場所”があります。それは、多動飼育崩壊の現場や交通事故に遭いやすい場所、そして動物虐待の可能性がある場所です。

こういった場所にねこを戻すのは非常に危険なため、新しい譲渡先、新しい家族を見つける必要がありますが、この“正しい譲渡”を行うのには、費用もかかります。

基本的なワクチン摂取や保護している間に何か合った場合の医療費を負担しながら、譲渡会に参加して家族を見つけていく。ねこが本当に幸せになれるのか、ねこにとっても人にとっても“正しい譲渡”を行うためには、必ず、新しい家族がどんな所に住んでいるのか、ねこの住処になる場所に適しているか、一件一件確かめることも大切です。その過程でかかる費用や時間は多大なものになり、その点も保護活動の課題となっています。

また、コロナ禍における失業や家庭環境の変化でねこを手放さざるをえなくなった、繁殖によって手に負えなくなってしまう多頭飼育崩壊が明らかになったケースもあります。ボランティアの方々からも、コロナ禍の経済的な打撃により支援者からの寄付が減少したという声も聞いています。

民間のボランティアによる、全国の殺処分ゼロを目指した活動のおかげで、ここ10年くらいの間にその数は減り、随分目標に近づいてきました。10年、15年前は20万〜30万頭のねこが毎年殺処分されていましたが、TNRをすることによって生まれてすぐに殺されてしまうような命が減ってきて、今は年間2万頭切るところまできています。

殺処分をゼロにするゴールは目の前まで来ている中、コロナ禍にあっても、ねこが幸せに一生を全うできる新しい家族に”正しい譲渡”をされることが、課題となっています。

かわいいねこの殺処分をゼロにしたい。ねこのいのちを守りたい。そのために何かしたい。そんな想いを持つ方に、このクラウドファンディング「ねこの日基金」を知ってもらいたいです。

「ねこの日基金は」4月22日23時まで、寄付を受け付けています。ご支援、よろしくお願いします。