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「みんなでつなぐ」支援をかたちに。コロナ基金を支えたREADYFORの想いと挑戦

2020年4月3日、「READYFOR」のサイトに「新型コロナウイルス感染症:拡大防止活動基金(以下、コロナ基金)」が立ち上がりました。

コロナ基金は、新型コロナウイルス感染症:拡大防止活動基金 有志の会が主体となり、公益財団法人東京コミュニティー財団の協力を得て発足したものです。READYFORが運営事務局を担い、支援の募集を開始しました。

7月28日現在、20,574人のみなさまから、838,110,500円と、国内購入型・寄付型クラウドファンディングサービス史上最高額を記録。現在は、特設ページにて引き続き寄付を募っています。

全国で外出自粛がはじまった1週間後に立ち上がったコロナ基金。異例のスピードで設立された舞台裏には、「自分たちに今できること」を探しつづけたREADYFORメンバーの強い想いがありました。

READYFORでも初の試みを支えた中心メンバーの4名に、今回の挑戦で見えてきた新しい寄付のかたちについて、話を聞きました。

「なにかしたい」支援の想いが届く場をつくる。READYFOR初の基金

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(左上から時計回りに、松本、三倉、小谷、堤)

――まず、みなさんのコロナ基金での役割を教えてください。

 コロナ基金のプロジェクトマネージャーを務めています。「どんな基金にするか」というコンセプトなど基金の初期設計を主に担当。運営開始後はメンバーをサポートしつつ、全体の最終チェックを行いました。

松本 私は運営のチームリーダとして、助成先決定のオペレーション構築と運営の両方を担当しています。団体の審査基準や審査ステップの設計に加え、150以上の助成団体との面談にも参加し、ここまで4か月以上の日々の運営にも関わっています。

三倉 私の担当は、法人様からの寄付です。未曽有の危機ということで、基金の設立直後から企業様からも多くのお問合せをいただきました。そのなかで従業員寄付など企業のニーズに応えるべく施策を考え、基金のブラッシュアップをしてきました。

小谷 私は言わば、今回のコロナ基金のキュレーターです。寄付を募るページの設計や基金の新着情報の作成、SNSでの発信など、コミュニケーション周りを担当しました。

ーー今回のコロナ基金の設立の背景にはどんな想いがあったのですか?

堤 自然災害と異なり、状況が不透明なコロナ禍では困っている人や支援先の把握が難しく、「なにかしたいけど、なにができるかわからない」といった事態が社会中で発生していました。

そこで、どんな支援が求められるのか、専門家や関係者の方々にヒアリングをさせていただき、刻一刻と変わる新型コロナウイルス感染症の多様な現場に資金を届ける基金の立ち上げの必要性を強く感じました。

医療現場の支援にはじまり、感染症対応や子ども・福祉への支援など、包括的な支援方針を掲げ、「なにかしたい」想いの届く機会を提供したいというのが出発点です。

――コロナ基金は通常のクラウドファンディングとなにが違い、どんな点が新しかったのでしょうか?

 まず、READYFORがはじめて「基金」としてお金を集めた点です。

基金とは、資産を原資として助成先にお金を流す形式を指します。一方クラウドファンディングは、支援を必要とする団体や個人が実行者となり寄付を募るものです。

また、最短14日で助成先に寄付金を届けるスピード感もこれまでになかったことです。通常であれば数ヶ月かかるプロセスを、専門家のみなさまにご協力いただきながらオペレーションを効率化することで迅速化できました。

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さらに、通常のクラウドファンディングでは個人からの寄付の割合が高いのですが、コロナ基金には個人だけでなく企業からも多くの寄付が集まりました。社会的意義が認められたことで企業側にも支援の動きが広がったのだと思います。

公平性・透明性・迅速性のそろった基金を短期間で立ち上げた舞台裏のパッション

――基金の運営経験は初めてということで、どんな点が大変でしたか?

松本 私がプロジェクトに加わったのは、立ち上げの1週間前。助成という新しい会社機能をつくるために、限られた期間で、資金の流れの透明性と、助成決定までの迅速性の確保したかたちで立ち上げることが初期のテーマでした。

助成団体の審査は複数のステップで行っています。公平性を保ち、かつ運用可能なオペレーションを構築するため、メンバーと議論を繰り返しました。

――コロナ基金は、状況に合わせてつくり上げられたものなのですね。

松本 コロナを取り巻く社会情勢は4月から大きく変わっていますし、毎月変わり続けています。コロナ基金でも申請内容を吟味しながら、「いま支援を必要としている助成先」を社内の運営事務局、専門家の諮問メンバー、助成委員会のコンセンサスをとりながら選定しています。

 審査で残念ながら通らない団体もたくさんあります。それでも多くの申請が途切れず集まるのは、公平性を担保するステップ設計がされているから。コロナ基金が助成団体からも支持されてる表れだと思います。

ーー今回のコロナ基金は企業からの支援も多く集めていますが、法人へのファンドレイジングにおいて、苦労した点や工夫したことはありますか?

三倉 企業ニーズに対してどのような受け皿を迅速につくるかが一番の課題でした。企業様から寄付をいただく場合、公平性や透明性の担保は必須ですし、支援先に届くスピード感を重視されるケースもあります。

また、従業員を巻き込み、一人ひとりが当事者になれるようなご支援を希望されたり、税制優遇*へのお問い合わせもありましたね。

*コロナ基金が設立されている東京コミュニティー財団は内閣府より「公益財団法人」として認定されており、本基金へのご寄付は税制上の優遇措置が受けられます。

アサヒグループさんの事例でご紹介した従業員寄付などは、クラウドファンディング事業で培ったノウハウを活用しながらかたちになったものです。透明性の高い受け皿をチームで素早くつくれた結果、「安心してコロナ基金に託そう」と、多くの企業様から信頼してご支援をいただくことができています。

――企業側に大きな寄付を募る際、どのようにコロナ基金をアピールしていったのですか?

三倉 READYFORがこれまで培ってきた「社会性があり寄付に強いプラットフォーム」という認知度もあり、立ち上げ当初はお引き合いが非常に多かったです。

広報チームのおかげでコロナ基金のメディア露出もあり、立ち上げ直後から非常に多くの企業様に支援先として前向きに受け止めていただきました。

またお問合せを待つだけでなく、コロナの支援を表明しつつも支援先が決まっていない企業のニュースを見た際は、メンバーと共有してこちらからご提案を持ちかける営業も行いました。

現時点で9社が企業寄付でご参画いただいており、従業員を含め多くの方を巻き込んだ支援がかたちになったのは大きかったですね。

寄付する側と受け取る側の想いが交じり合うあたらしい寄付のかたち

――今回掲げた「みんなでつくる、みんなでつなぐ、コロナ基金」の言葉に込めた想いはどんなものですか?

小谷 「みんなでつくる、みんなでつなぐ、コロナ基金」は、寄付をする側と受ける側、両者が混ざり合い想いを共有するこの基金にできたら、と思い言葉を選びました。

キュレーターとしてクラウドファンディングに関わっていると、良くも悪くも、実行者と支援者、支援する側とされる側というある種の壁を感じることがあります。

今回のコロナ基金の立ち上げの際、この事態は「誰かがお金を払って、誰かを助ける構造の問題なのか」という大きな問いが私の中にあり、今回のコロナ基金では支援する側とされる側の分断がないコミュニケーションをしたいという想いが土台にありました。

ーー実際にやってみてどうでしたか?

今回、日本プロ野球選手会とNPO法人ベースボール・レジェンド・ファウンデーション(BLF)を通じてプロ野球選手の方々から支援の呼びかけがあったのですが、目線がとても双方向的でした。これまでの有名人が寄付を一般の方から集め、募金団体に渡す構図とは異なるものです。

選手も一般の方と交じり、一緒に「ここに」寄付してくださいと呼びかけている。支援する側がされる側に向き合うのではなく、みんなが社会に向き合う箱ができたと感じています。

 ほかにもロックバンドのLUNA SEAさんが「MUSIC AID FEST.」でコロナ基金への支援を呼びかけるなど、これまでとは違う層とつながれた実感があります。

新型コロナウイルス感染症が広がるなか、Stay Home以外にできることを探していた方が、お金を寄付するかたちでアクションをとれて嬉しかったと。そんな声を聞くと、新たなつながる場所を提供できたと思います。

想いがのったお金を流すルートを増やし、希望を伝える存在でありたい

――コロナ基金を経て、みなさんのこれからのやりたいこと、実現したい寄付のかたちを教えてください。

小谷 これまで単発のクラウドファンディングで培ってきた経験や関係性があったからこそ、新しい寄付の可能性を信じて、コロナ基金を実現できました。READYFORとしては寄付を募るクラウドファンディングだけではなく、お金の流れを変えるプラットフォームとして進化していきたいですね。

三倉 コロナ基金の運営を通じて「クラウドファンディングの枠をこえて、多様な資金と、より多くの想いをつなげる」というREADYFORのミッションを体現するような体験ができました。今後はさらに多くの企業様とパートナーシップを組んで、より大きな社会課題解決にチャレンジしていきたいです。

民間だからこそ可能なスピード感や透明性を保ち、その時々で資金ニーズがある場所に想いの乗ったお金を流すには、法人事業はREADYFORにとっても重要なテーマです。引き続き、様々な企業様とコラボレーションを進めていきたいですね。

松本 基金としてお金を流すオペレーションを構築できたことは、会社の武器になります。いま、世の中に社会から資金を調達する手法が増えていますが、それでもお金が流れる領域においてREADYFORの存在感をより拡大できると思います。

「こういうジャンルにはREADYFORの存在が当たり前」という状態になれるとうれしいです。そのためには実績を増やし、個人や法人に向けての働きかけを広げ、社会認識をつくっていきたいです。

 今回の基金で、より多様な層に対して訴求できる手段をREADYFORがつくれたと思っています。やりたいことや目指したい社会に近づく方法として、基金のような幅広い目的を許容するかたちのほうがお金を出しやすい場合もあるとわかりました。

暗いニュースがあっても希望を伝える会社でありたいし、そんな存在だと思ってもらえたら嬉しいですね。

▼コロナ基金は、資金と支援を必要とするところにいち早く助成をするべく、長期的に寄付を募る活動をつづけています。

堤 春乃/CEO室 マネージャー
早稲田大学法学部卒。大学時代は、国際法模擬裁判大会への出場やスウェーデン留学を経験。新卒でTech in Asiaに入り、1000人規模のテックカンファレンスの開催、マーケティング、PRなど幅広い業務に従事。より挑戦する人に持続的にお金を流す仕組みを創りたいと考え2019年にREADYFORにジョイン。READYFOR入社後は中長期戦略策定・新規事業の立ち上げ・CI刷新などを経験。
松本央剛/法人ソリューション推進
神戸大学経営学部卒。総合広告代理店、楽天を経てウォンテッドリー株式会社にて新規事業立ち上げを推進。READYFORでも法人向け新規事業の推進に従事し「READYFOR SDGs」「Unipos SDGsプラン」に加え、当基金運営の垂直立ち上げを担う。今後はよりDX視点を取り入れてサービス開発を推進。
三倉 信人/法人事業部長
創価大学工学部卒。ソフトバンクグループで営業・社長室・経営企画・新規事業開発を歴任。独立後、複数のベンチャー・地方企業の経営に携わる。READYFORでは法人事業責任者として、企業のサステナビリティ活動に係る支援の企画や連携推進を担当。ソフトバンクアカデミア(孫正義氏の後継者発掘・育成機関)1期生。
小谷 なみ/キュレーター
法政大学社会学部卒。WEB/編集ディレクターを経てREADYFORに参画。「READYFOR アート部門」立ち上げ、社会的養護の子どもたちへの支援に特化した「こどもギフト」プログラムオフィサー。大型資金調達を主に担当 (統括チーム総調達額25億超)。直近は国内最高額の新型コロナウイルス感染症拡大防止基金のキュレーターを務めた。アートとソーシャルのはざまが大好き。
text by サトウカエデ edit by 徳瑠里香

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