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裁判関連費用をクラウドファンディングで集め、社会に問う。同性婚訴訟、医学部入試の女性差別、大崎事件、袴田事件……

課題解決をして新しい社会を実現するための訴訟や無実の罪で投獄される人の無罪を勝ち取るための訴訟。

社会的意義のある訴訟に関して、有志で結成される弁護団の多くが“手弁当”で活動している現実があります。報酬がないどころか、交通費や調査費など裁判にかかるそのほかの費用を弁護側が負担しなければならないケースも。

弁護団にどれだけ想いと実力があっても、資金が足りずに、「勝訴」への道筋が断たれてしまうこともあるでしょう。

READYFORでは、クラウドファンディングを通して、裁判関連の費用を集める事例が増えてきています。それらのプロジェクトは、大きな資金と同時に、応援の声を集め、世論を動かすことにもつながっています。

裁判費用をクラウドファンディングで集め、社会に問いを投げたこれまでの事例と、実行中のプロジェクトを紹介します。


日本で同性婚を求める訴訟を

2019年2月14日、日本で生活する同性カップル13組が「日本で同性婚ができないのは憲法違反だ」と東京、大阪、札幌、名古屋で一斉に国を提訴しました。その名も、「結婚の自由をすべての人に」訴訟。

この訴訟の弁護団の一員でもある、弁護士の寺原真希子(東京弁護士会所属)さんが代表理事を務める「一般社団法人Marriage For All Japan - 結婚の自由をすべての人に」が活動費用を集めるクラウドファンディングを実行しました。

1,172人の支援者から目標金額の倍以上となる10,578,000円が集まりました。資金と同時に、たくさんの賛同と応援の声が寄せられています。

結婚を人生の選択肢の一つとするのは、誰もが有する権利です。法制度の改革は、経済や文化そして個人の意識に変革をもたらします。夫婦別姓制度の導入も含めて、新しい家族のかたちをみんなで推進しましょう。

パートナーと一緒に暮らして四半世紀が過ぎました。幸せの背後にはいつも不安と困難が付きまといました。ちっぽけな幸福を守るためにその何十倍もの労力を費やし無力感を味わう。生涯、死ぬ瞬間までそういった不安を抱えていかなければならないのか、と。これから生きていく若い人達がそんな思いをしないで済むようにと願っております。新たな常識を築くお仕事は本当に大変だと思います。立ち上がって下さった皆様に深く感謝致します。

訴訟から1年以上。「性のあり方にかかわらず、すべての人が、結婚するかしないかを自由に選択できる社会」を目指して、今も訴訟を起こした当事者と弁護団、Marriage For All Japanはたたかい続けています。

医学部入試における女性差別を認めない。

2018年8月、東京医科大学入試を巡る文科省官僚の汚職事件をきっかけに、2006年以降、一般入試における二次試験において「女性」であることを理由に一律20点の減点を行う性差別的な得点操作が行われていたことが明らかとなりました。日本の有名医療大学において、長期にわたり性差別が行われてきたのです。

被害者の救済と再発防止を目指して、角田由紀子(第二東京弁護士会)さんが代表となり結成された「医学部入試における女性差別対策弁護団」がクラウドファンディングで活動費用を募りました。

目標金額の3倍近く、7,400,000円が集まり、416人の支援者から応援の声が届きました。

今まで男女差を感じながらも黙ってきたことが、将来ある若者を悲しませたのか、と反省している気持ちを込めて。

私は研究職をしています。学問はすべての人に対して開かれているものであるべきです。それを、学校経営者の都合で、ただ女性であるからという本人に非のない理由で排除し、学ぶ機会を恣意的に奪っていたという事実は、到底容認することができません。
ぜひ、涙を呑んだ受験生や、教育・就業の機会を不当に奪われてきた女性たちの声なき声を、大学に、教育界に、そして政府に届けてください。
意欲と能力さえあれば、誰もが受けたい教育を受け、自分らしく活躍できる社会を願って。僅かではございますが、支援させていただきます。これからも注目、応援しています。

誰もが医師を目指せるように。差別のない社会、不当な差別に声を上げることできる社会に近づけるように。医学部入試における女性差別対策弁護団の活動、訴訟経過はこちらからもご覧いただけます。


裁判で真実を。大崎事件 第4次再審請求

ソーシャルイシューに法的なアプローチで挑む前述の事例に対し、冤罪と言われる事件の再審を請求することで世論を動かしているプロジェクトもあります。

1979年10月、鹿児島県曽於郡大崎町で殺人・死体遺棄事件として捜査された「大崎事件」。被害者は、この地で農業を営む男性。逮捕されたのは、原口アヤ子さんを含む親族4名。実刑判決が下され10年服役した後も、40年間、アヤ子さんは一貫して無実を主張し続けてきました。無実を証明するため、これまで3度裁判をやり直す「再審」を求めてきましたが、いずれも棄却。

4度目の再審請求をする大崎事件弁護団の活動費用を集めるため、映画『それでもボクはやってない』を撮った周防正行監督が立ち上がりました。

2020年6月、806人の支援者から、目標金額の倍以上、12,417,000円の資金が集まりました。

アヤ子さん、今までほんとうに頑張ってこられましたね。
どうぞお身体を大切になさってください。
アヤ子さんとご親族の無実の罪が晴れるよう、応援しています。
弁護団の皆さまにも頭が下がる思いです。ご苦労の多いお仕事だと思いますが、お身体に気をつけて、どうか無罪を勝ち取ってください。

恥ずかしながらこれまでこんな酷いことが起こっていると知りませんでした。
40年以上も無実を訴え続けなければならない苦しみや辛さは想像を絶するものだと思います。
けれど、その苦しみの中、やっていないことを認めるわけにはいかない、と闘ってこられた真っ直ぐな信念に、勝手ながら私は勇気をもらえた気がします。誰もができることではないですよね…。
原口アヤ子さんにはこの先、まっすぐ顔を上げて心穏やかに過ごして欲しいです。絶対に。
微々たる金額ですが少しでも援助になれば幸いです。
原口さんが「諦めずに闘ってきてよかった」と笑える日が近く来ますように。
応援しています。頑張って下さい。

大崎事件弁護団による報告集会の様子などはこちらからご覧いただけます。

日本の "刑事司法の闇" が招いた、死刑えん罪事件「袴田事件」を再審無罪へ

そして今、裁判費用を集めるための新たなプロジェクトが動き出しています。

30歳で強盗殺人罪、放火罪、窃盗罪で逮捕されてから48年間、無罪を主張し続けながらも死刑判決が下され、独房生活を余儀なくされてきた袴田巌さん。「袴田事件」とは、日本の“刑事司法の闇”が招いた、死刑えん罪事件です。


無罪を勝ち取るため弁護団は今日も新しい証拠集めに奔走しています。最高裁で再審再開が認められなければ、袴田さんは再び刑務所で死刑執行の時を待つことになります。新証拠を立証し、袴田さんの無罪を証明するための資金を集めているのが、このクラウドファンディングです。

10月16日まで、目標金額は1000万円。

クラウドファンディングの目的は、お金を集めるだけではありません。袴田さんの無実を信じ、再審無罪を願う全ての人々の存在を、裁判所に示すことでもあります。
最高裁が再審開始決定を出すよう願う、みなさんの「袴田さんを応援したい」気持ちをここへお寄せください。
袴田さんの裁判を前進させるために、ご支援をよろしくお願いいたします。
(実行者:袴田さん支援クラブより)


裁判費用をクラウドファンディングで集め、社会に問うために。司法の力でもっと生きやすい世の中を実現していくために。私たちにサポートできることがあれば、気軽にご相談ください。

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