「起業家になりたい」クラウドファンディングで一歩を踏み出した10歳の少女が描く夢 #私の夢を支えてくれる人
井上美奈ちゃん、10歳――。 箏やダンス、作文が大好きな小学5年生の美奈ちゃんは、2019年5月に「エストニアのお友達と日本のお友達のかけはしになりたい!」というクラウドファンディングReadyforにて公開。インターネットを通じて応援と支援の輪がどんどん広がり、見事に目標額を達成。6月に念願のエストニア訪問を叶えました。将来の夢は「起業家」と語る、美奈ちゃんの次の目標とは?
美奈ちゃんがエストニアに興味を持ったきっかけについて聞いた前編はこちらから。
将来の夢は「起業家」になること
美奈ちゃんの将来の夢は「起業家になること」。エストニアの経験を経て、今、思い描いていることは何でしょうか?Readyforを立ち上げた”起業家の先輩”・米良はるかが、美奈ちゃんの思いと今後の目標を訊きました。
米良はるか(以下、米良) 美奈ちゃんはどうして将来、起業家になりたいと思ったの?
美奈ちゃん(以下、美奈) 最初は伝記が好きで、ウォルトディズニーやココシャネルみたいに難しいことがあっても人を笑顔にできるようになりたいなと思いました。それから、Startup Weekendに参加してみたら、すごく面白くて、もっと勉強したり挑戦してみたいと思うようになったんです。チームを組んで3日間でアイデアを出し合って、5分間のプレゼンをして順位が決まるイベントなんですが、大人に混じってもっとよくなるためのアイデアを出して形にしてみるのが楽しくて。
米良 学校でもたくさんアイデア出しているの?
美奈 うーん。学校ではあんまりかな。
米良 私も美奈ちゃんくらいの年齢のとき、あまりアイデア出すのは得意じゃなかった。でも、大学生になって輝いているひとにたくさん出会ってから、そういう環境に身を置きたいと思った。20歳の頃だから、美奈ちゃんにとってはまだまだ先かな。
プログラミングや起業に興味を持つ子を増やしたい。次に描く夢
米良 美奈ちゃんは小さい頃からプログラミングやロボティクスに興味を持って、小学生ながらも大人にまざっていろんなイベントに参加している。すごいなあって思います。今回、クラウドファンディングにチャレンジして一つ夢を実現させたけれど、次に挑戦してみたいことはありますか?
美奈 エストニアで知った「失敗しながら学ぶ」という経験ができる何かが作れたらいいなと思っています。
美奈ちゃんのお母さん エストニアでは10代で起業しているお子さんも多くいると聞いていますが、日本では子どもが起業してみるには障壁があるなと感じました。例えば資金を集める方法の1つでもある借入が難しいなど。
米良 確かに、美奈ちゃんのように「やりたい」という想いを持った子がいても、社会の仕組みが追いついてないのが現状です。どうしたら美奈ちゃんみたいな子たちが起業できるか、動きやすい環境ができるか。これは私たちの課題だなと思います。
美奈 毎月、お母さんの実家の田舎に遊びに行っています。田舎には東京にはない自然があってすごく良くて大好きです。東京には「やりたい」と思ったことにチャレンジしやすい環境があって大好きです。
だから、例えばYouTubeのような仕組みを使って、東京以外のところにに住んでいる子も観られたり、参加できるコンテンツを作りたいです。インターネットなら海外の人とも友達になれるし、起業家とつながれます。そうすれば、どこに住んでいても、プログラミングや起業に興味を持つ子が増えるかもしれない。「田舎の自然はいいな」「東京の環境はいいな」をそれぞれ交換できたらいいなと思います。
米良 すばらしい!今、日本の上場企業で女性最年少社長は32歳、男性は25歳です。20代はほとんどいないけれど、私の周りでも20代の起業家はどんどん増えています。将来、美奈ちゃんが大きくなった時代には、若者がもっと当たり前に起業できる時代にしたいなって思いますね。今回エストニアに行って、たくさん素敵な経験をしてきたけれど、次に行ってみたい国はある?
美奈 もう一回エストニアに行きたいです。今回は夏休みで、カロリさん(カロリ・ヒンドリクス。エストニアのスタートアップJobbaticalの創業者)に会えませんでした。次は冬に行きたいです。エストニアの冬は寒いそうなので、みんな家にいるだろうから会えるかもしれない。
それから、日本に帰国してから参加したスタートアップのイベントで3位になりました。その後EdTech Asiaというシンガポールのイベントでピッチする権利をもらい、行ってきました。今は発表に向けてオンラインでミーティングをしているのと英語でピッチができるようにしているところで、とても楽しみです。
米良 すごい!これから美奈ちゃんの経験が積み重なっていけば可能性も広がるね。油断したら美奈ちゃんに追い抜かれそう(笑)。ピッチコンテストからどんどんアイデアを世に出してほしい。日本のためにも、美奈ちゃんの未来のためにも頑張ってね。応援してます!
おわり
text by 星久美子
photo by 戸谷信博
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