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コロナ禍、医療の現場に広がるクラウドファンディングの支援の輪

クラウドファンディングREADYFORを通じて今、新型コロナウイルスの影響を受けた医療の現場への支援の輪が広がっています。

コロナ禍、医療の現場でクラウドファンディングがどのように活用されているのか。その実例をご紹介します。

病院運営を継続し、医療従事者を守るために

台東区上野にある永寿総合病院は、新型コロナウイルス院内感染の影響で、運営継続の危機を迎えていました。医療従事者たちは、家にも帰れずホテルで寝泊まりし、家族とも会えない状況のなか、コロナ最前線で闘ってくれていました。

にも関わらず、院内感染拡大防止のため2ヶ月にわたって外来診療、新規受け入れを停止したことにより医業収入は減少。大幅な赤字となり、人件費削減のため勤務調整に協力した看護師をはじめとした医療従事者に、満足な給与を支払えない状態にあったのです。

地域医療を支える病院運営を継続し、医療従事者を守るためにーー。永寿総合病院のOBをはじめとした有志の会(永寿総合病院を応援する会)がクラウドファンディングを立ち上げました。

4,639人の支援者から、49,462,000円の資金が集まりました。同時にたくさんの応援の声も届いています。

以前、子どもが急遽体調を崩した際、救急でお世話になりました。永寿病院さんがあるおかげで、私たちは安心して暮らすことができております。非常に厳しい状況が続くなか、毎日毎日本当にありがとうございます。
地元台東区の私達にとって、なくてはならない医療機関です。家族一同、何度も頼らせていただきました。応援してます!

集まった資金は、看護師400名、看護師以外の職員400名に一人5万円ずつの手当に充てられました。今日も永寿総合病院に勤務する医療従事者は、地域医療を支えています。

新型コロナ重症患者を受け入れ、最先端医療と救急医療を両立するための環境設備を整える

新型コロナウイルスの重症患者を受け入れながら、最先端医療と救急医療を両立していくために。患者の健康と安全、医療従事者を守るために。京都大学医学部附属病院では、院内感染を防ぐため、空気が他の部屋に漏れないようにする陰圧室化工事を進める資金集めをREADYFORで行いました。

1,508人の支援者から、集まった資金は目標金額の倍以上となる66,759,000円。

京大病院でしか助けられない方もたくさんいらっしゃると思います。私自身も京大病院で手術を受け、今もお世話になっています。少しご恩返しができればと思い寄付しました。
以前に家族がお世話になりました。大変な状況で私たち患者家族が混乱している中、最後まで励まし寄り添ってくださいました。先生の誠実な対応と看護師の方の優しさに心が救われました。一生懸命に治療してくださった医療従事者の皆さまに支えられ、何とか乗り越えることができました。医療は人類にとって尊い、最も素晴らしいお仕事だと心より敬意を感じます。本当に微々たる寄附で申し訳ありません。今後も皆様の健康と医療の発展を心よりお祈りしております。どうぞお身体にお気をつけてください。

集まった資金により、手術室や検査室など、順次、陰圧室化工事が進んでいます。環境整備を進めることで、コロナ禍においても、地域医療を担う京都大学附属病院では、最先端医療・救急医療を維持し続けています。

赤ちゃんと自宅にいる家族が面会できるシステム構築を

新型コロナウイルスの影響でこれまで当たり前にできていたことが、できなくなったことがあります。病院での「お見舞い」もその一つ。

コロナ禍の厳しい面会規制により、生まれたばかりの赤ちゃんに会えない家族がいるのです。「赤ちゃんに会いたい……」そんな家族の願いを叶えるため、大阪大学医学部附属病院では、自宅にいる家族と入院中の母子をつなぐオンライン面会システムの構築を目指しています。

プロジェクトは現在、500人を超える支援者から、2000万円以上の資金を集めています。

私もコロナ鍋で出産、子供だけNICUに転院となり2日に1回、30分しか会えない日々が続きました。病室で一人、お見舞いも誰もこれず、30分の間にデジカメで撮った写真を眺めて耐えてました。素晴らしい取り組みだと思います。ぜひ全国の病院にも広げる取り組みとなることを祈ってます!

現在、自宅にいる家族、NICUの赤ちゃん、小児医療センターに長期入院中の子ども、そして成人患者をつなぐためのオンライン面会システムを構築すべく、ネクストゴール3000万円に挑戦中です。

緩和ケアの現場に、テレビ電話による面会を広げるために

また、終末期医療の現場でも、新型コロナウイルス拡大感染防止のため面会が制限・中止されています。“いつか会えるその日まで”ーー。緩和ケア病棟に入院している患者とその家族にはその“いつか”が来ないかもしれないのです。

直接会えないのであれば、せめてオンラインで顔を見て言葉を交わせるように。全国の緩和ケア病棟にタブレットを寄贈し、テレビ電話による面会を広げるためのプロジェクトが実施されました。

1,626人の支援者から、目標金額300万円を大きく上回る16,315,000円の支援が集まりました。同時に共感と応援の声が多く寄せられています。

コロナ前、祖母をホスピスで看取りました。世界がどんな状況であっても、本人にも家族にも、より気持ちに沿ったケアが行われるよう、願っています。応援しています。
タブレットを配布するだけでなく、環境を整えマニュアルを作成。タブレットを通じたご家族との会話で、医療従事者だけでは取り除けない、患者さんのつらさを緩和するケアが全国に少しずつ広がっています。


苦境に立たされる、未来の医療を担う学生を支えるために

コロナ禍、経済環境の悪化により、未来の医療を担う学生たちの中には、修学の継続が難しくなるケースもあります。親の経済状況が厳しく、これまで生活費や学費に当てていたアルバイトができなくなってしまった。遠隔授業が増え演習ができず、技術を習得できていないようで不安。そんな学生たちの声も聞かれます。

看護学部・研究科、公衆衛生学研究科を設置し、741名の学生が在籍する学校法人聖加国際大学では、教育の質と経済環境を整え、学生が安心して学びに集中できるように「新型コロナウイルス共存時代の学生支援募金」を立ち上げました。

232人の支援者から、6,420,000円の想いが乗ったお金が集まりました。

未来の看護職の皆様
夢をあきらめず、前に進んでください。
進んだ先には、皆様の看護を待っている方々がいらっしゃいます。
私自身も在学中はたくさんお世話になりました。どんな逆境下でも大学や大学院での学びは 替えがたいものだと思います。未来を担う学生さんの学びが充実しますように、心より応援しています。

集まった資金は、学部生、大学院生全員に一律5万円の学生支援継続支援金の給付、2020年度後期の授業料の減免措置、遠隔教育・実習教育の環境整備に使われます。

READYFORでは、今もさまざまな医療の現場を支えるクラウドファンディングが実行されています。

これまでREADYFORで実行されてきた、医療に関するプロジェクトの達成率は95%以上。そのほとんどのプロジェクトが目標金額を達成しています。支援してくれた人へのお礼としてのリターンも特別なものを用意する必要はありません。

クラウドファンディングにご興味がある方はお気軽にお問い合わせください。

または、医療部門担当キュレーターまで直接ご連絡ください。

米本 拓(医療部門担当/キュレーター/准認定ファンドレイザー)taku.yonemoto@readyfor.jp

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