見出し画像

応募者の人生と会社の結節点を見つける。一年で40名を採用した人事担当の頭の中

2018年秋に資金調達を実施し、2019年初めにはメンバー数が100名を突破したREADYFOR。毎月さまざまな専門分野を持つ新しいメンバーが入社しています。

その裏で、組織の急拡大に欠かせない「人」を採用するために奔走してきたのが、採用担当の河本峻。2018年10月に入社以来、一年間で約40名のメンバーを一人で採用してきました。そして河本が採用したメンバーは、めったに退職に至っていません。

ビジョン志向が強いと言われるREADYFORにおいて、会社の進む方向性と一致する採用のために河本が意識してきたこととは?今回は組織拡大の舞台裏に迫ります。

自信を持って勧められるサービスだったことが入社の決め手に

画像1

── 河本さんは、READYFORに入社する前から人事に携わってきたのでしょうか。

はい、大学を卒業してからずっと人のキャリアや職業選びに関わる仕事を続けてきました。大学生の頃から明確に、事業会社の人事をやりたいと思っていたんです。

きっかけは、学生時代に数十人規模の団体を立ち上げたり代表を務めたりする中で、組織のおもしろさを実感したこと。学生団体は人の流動性が高いので、人が入れ替わっても団体を維持できるかどうかが重要です。

そのために、人を集めて団体の共有知を増やし、判断軸をすり合わせていく。変数が多い難しさを感じながらも、組織をどう育てていくか、どうやってメンバーを増やしていくかを考えることが好きでした。

── READYFORに入社した理由は何でしたか?

仕事環境を変えるために転職活動をしていたのですが、三つの理由があってREADYFORを選びました。

一つ目は、READYFORのサービスそのものが良いと思えたから。学生の頃からREADYFORを知っていて、志のある取り組みにお金が流れていく仕組みに共感していたんです。

人事をやる上で、自信を持って会社が提供しているサービスを勧められるかどうかが重要だと考えているので、READYFORを好きなサービスだと思えることが理由の一つになりました。

二つ目は、READYFORのフェーズや自身に課されるミッションが、自分のキャリアにおいてチャンスになると考えたから。成長段階の企業における採用を一人で担うことはハードミッションでしたが、自分の経験につながりそうだと思いました。

三つ目は、やはりREADYFORで働いている人の存在ですね。入社までに何人かに会って話す過程で、「この人たちとなら、気持ちよく働けるだろうな」と直感したことが入社につながっています。

採用のミスマッチをおこさないために、社内でのコミュニケーションを重視

画像2

── 会社が資金調達した2018年秋に河本さんが入社して以来、社内唯一の採用担当として一年で約40名を採用されたと聞いています。

そうなんです。会社として初の資金調達を完了し、採用を加速させていく段階だったので、入社して最初の3ヶ月でアルバイトを含め21名採用しました。当時は一日で5名〜8名の応募者とお会いする日々が続きましたね。

── 入社直後から採用を担うのは難易度が高いと思うのですが、どのようにご自分の中でREADYFORの採用の軸を確立していったのでしょうか?

READYFORは「誰もがやりたいことを実現できる世の中をつくる」と掲げているビジョンを筆頭に、目指したい世界を明確に描いている会社です。採用の段階から同じ世界を目指せるか、同じ価値観で進んでいけるを重視しています。

これは僕が入社した頃から変更していなくて、あとは細かい判断基準や現場にとっての譲れないポイントを反映させることで、僕の後に面接をする現場面接官やCEOの米良が求める基準とズレがなくなっていきました。

採用において「迷ったら採らない」を自分のこだわりとして持っているので、早いタイミングでそのすり合わせに時間を割けたのはポジティブに働いたと思います。

── READYFORにおける資金調達以降の採用において、これまでとの変化はありましたか?

募集する職種の幅が一気に広がりました。以前はほとんどがキュレーター職の採用だったんです。資金調達以降は新しいチームがどんどん立ち上がったため、マネージャーポストや部署立ち上げメンバーなどの経験を求める採用が一気に増えていきました。

結果、ポジション数で言えばこれまでに18ポジションの採用を担当しています。ポジションに合わせて最適なツールで募集するなどの新しいアクションが必要なので、情報収集や効果検証が欠かせません。

── 募集するポジションを拡大するに当たって、何に気をつけたのでしょうか。

どういう人を採用したいのか、その人にミッションとして何を持ってもらうのかを明確にする、要件定義のすり合わせですね。採用において、僕は要件定義が成功のほとんどを占めると思っているんです。

そもそもどういう課題を解決するために採用したいのか、どういう人をターゲットにするのか、「採用したい」と言っているチームとお互いに納得するまですり合わせをしています。このコミュニケーションには時間を惜しみません。

採用担当は、会社の将来と一人の人生の結節点をつくる

画像3

── READYFORはビジョン志向が強い会社ですが、ビジョンに合うメンバーを集めるためにどのような工夫をされていますか?

前提として、採用においてどのようなプラットフォームを使っていても、「僕らがなぜREADYFORというサービスを提供しているのか、それによって何を成し遂げたいのか、どういう価値を社会に提供したいのか」を前面に打ち出すようにしています。

その上で、僕は「READYFORのビジョンに共感していますか?」という質問はしていません。本人の考えや重視していることを自分の言葉で語ってもらいたいんです。そこで聞かせてもらったこと、一人ひとりの人生とREADYFORとの結節点を見つけるのが、採用担当の仕事だと思っています。

転職という決断に踏み切る理由、その背景、今後の人生でどうなっていたいのか、そのために何を得たいのか。

そんな話を聞かせてもらう中で、その人のキャリアとREADYFORの目指す道が重なるようであれば、僕らの船に乗ってもらったほうがその人にとってプラスになるだろうし、僕らも責任を引き受けられます。

逆にお話ししていく過程で、その優先順位や価値観であれば今はREADYFORじゃないほうがいいのではないかと思った場合、フィットしそうな他の企業をおすすめする場合もありますよ。

せっかく面接に時間を割いてくれた人が、READYFORをきっかけに新しい選択肢を得られたらいいなと思っています。

── 応募者にとって採用担当者が最初の窓口となりますが、会社の価値観を体現する上で意識していることはありますか?

最近は「面接官の役割がジャッジメント(見極め)からアトラクト(魅力づけ)にシフトしている」という話をよく聞きますが、僕は「アトラクトしなきゃ」と肩肘を張らなくなってきました。それよりも、応募者が判断するための適切な材料を渡せるように意識しています。

僕らはこういう未来を目指していて、入社したらおそらくこういう仕事をやってもらうと思う。組織としてはこういう考えを共通の価値観として持っていて、僕自身はREADYFORのここに魅力を感じている。

そうやって応募者の意思決定に必要な情報をできる限り開示して、自分に合った正しい判断をしてもらえたらいいなと考えています。

採用以外のアプローチも一緒に考えられる採用担当でありたい

画像4

── READYFORに入社して、河本さんがご自身の中で変わったと思う部分はありますか?

会社として次に何をしていきたいのかを踏まえて、組織の未来のために採用を考えるようになりました。プロダクトの課題や会社のミッションを自分の中で噛み砕いて理解を深め、組織を俯瞰するようになってきたと思います。

採用は手段であって目的ではありません。採用担当だからと言って採用目標だけを意識するのではなく、各チームが採用のその先に掲げている目標を一緒に追っていきたいです。

目標達成を目指す上で、何がボトルネックになっているのか。そのために採用の観点ではこういうアプローチができるけれど、採用以外にこんな解決方法があるんじゃないか。

そういった採用以外のアプローチも含めて、チームや会社全体の目標に向かって一緒に考えられる人でありたいなと思います。

画像5

READYFORでは、メンバーを募集しています。一緒に「誰もがやりたいことを実現できる世の中」をつくっていきませんか?


河本峻
中央大学法学部卒業後、2015年に株式会社マイナビへ新卒入社。紹介事業の法人担当として広告代理店、クリエイティブエージェンシー、メディア運営企業などを中心に採用支援に従事。その後不動産業界向けSaaSを展開する上場ベンチャーにて開発部門人事を担当したのち、2018年10月にひとり採用担当としてREADYFORへジョイン。2019年10月より採用チームマネージャーを務める。1991年神奈川県生まれ。
text by 菊池百合子 photo by 戸谷信博