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「子どもたちに応援の声を届けたい」【こどもギフト】にかける思い #こどものいのちはこどものもの

2018年11月20日、Readyforにて、社会的養護啓発プログラム「こどもギフト」が始まりました。「#こどものいのちはこどものもの」メンバーとタッグを組み、社会的養護を必要とする子どもたちに対して、クラウドファンディングで支援を届けるプログラムです。

「子どもたちの力になりたい」その思いを届けるために

小さな命がまたひとつ、消えてしまった……。

「もう耐えられない」「ひとごとじゃない」「自分にできることはないのだろうか」

悲痛な手紙を残し5歳の女の子が虐待で命を落とした事件を受けて、SNSでアクションを起こしたエッセイストの犬山紙子さん。

「悲しみに負けず、絶望で終わらせない」

犬山さんの思いに心を重ねた、タレントの真鍋かをりさん、福田萌さん、ファンタジスタさくらださん、ミュージシャンの坂本美雨さんが立ち上がり、2018年6月、児童虐待防止に取り組む〈#こどものいのちはこどものもの〉が発足しました。

これまでに、SNSでの発信を軸に、ネット上で5000人を超える署名を集め、児童虐待防止に関する要望書を厚労省に提出するほか、実際に児童養護施設や乳児院などを訪れ、専門家と意見交換をする等の活動を行ってきました。

その過程で見えてきたのは、子どもたちの厳しい現実。取り巻く環境は複雑で、何が正解かはわらかないけれど、だからといって何もやらなければ前へは進めない。子どもたちの力になりたい。

その思いを具体的なアクションにつなげてかたちにするため、クラウドファンディング「こどもギフト」がスタートしました。

同情ではなく、愛を。 チームの5人の願い

「とにかく子どもたちに、あなたのことを応援したいと思っている大人たちがいっぱいいるよ、ということを伝えたい。同情ではなく、愛を。子どもたちが自分の未来に希望を持てるように、寄付や発信というかたちで自分たちにできることをしていきたいです」(犬山紙子さん)

「虐待のニュースを目にする度、胸を痛め、何かしたいと思っていたけれど、何もできずにいました。どれだけ思いを持っていても、子どもたちに届かなければ、なかったことになってしまいます。クラウドファンディングを通じて、その思いをつなげて、子どもたちに届けて、手を差し伸べていきたい」(真鍋かをりさん)

「かつての私のように、子どもたちのために、何かしたいけれど、何をしたらいいかわからないと思っている人たちの背中を押すことができたら。『子ども支援といったら、こどもギフトだよね』と言われるような日本を代表するプロジェクトにしたい」(福田萌さん)

「20代の頃は慈善事業に賛同できる人間ではなかったけれど、子どもが生まれて意識が変わりました。子どもは尊く、社会の宝です。活動を通じて、寄付やボランティア、子どもを社会で支えることが当たり前の世の中になったらいいなと思っています」(ファンタジスタさくらださん)

「虐待事件を受けて、子どもの気持ち、親の気持ちを深く想像して、傷ついていました。自分のなかにも闇の気配を感じ、決して他人事ではないと思うから。助けを必要としている人たちが一番声をあげにくい。周りにいる私たちがその声に気づいて、積極的に手を差し伸べていく必要があると感じています」(坂本美雨さん)

子どもたちに希望を。実行者たちの思い

現在「こどもギフト」では、6つの施設・団体への支援を募集しています。

4歳から18歳の28人の子どもたちが暮らす児童養護施設「おさひめチャイルドキャンプ」は老朽化した施設の改修費を集めています。施設長の西村武さんは力強い一言を投げかけます。

「私たちがほしいのは、同情ではなく、子どもたちへの前向きなエールです」

2歳から18歳の子ども総勢92名が暮らす東京都北区の児童養護施設「星美ホーム」では、ホールの再建費用を集めています。ケアワーカーの油科美佳さんは語ります。

「児童養護施設と聞くと”かわいそう”と思う人もいるかもしれません。でも、実際には子どもたちの笑顔が集まる開放的な場所で、職員として働く私自身も元気をもらっています。子どもたちは想像を超える傷を負っていることもあります。私たちにとって当たり前のことが、当たり前ではないのです」

「浴衣を着れる日が来るなんて思っていなかった」と喜ぶ女の子、「抱っこってどうやってしてもらえばいいの?」と尋ねる男の子。傷を負いながらも子どもたちは一生懸命前を向いていると言います。

「クラウドファンディングを通じて、児童養護施設を知っていただき、力を貸していただけたら。愛するだけではな足りない。子どもたちが愛されていると感じるところまで愛する必要があります。子どもたちに、こんなにもたくさんの支援者がいるんだよ、ということを伝えるきっかけになれば嬉しいです」

千葉県の施設を出た15歳〜20歳の5人が暮らす自立支援ホーム「みんなのいえ」では、子どもたちが「やってみたい」と思うことを実現する資金を集めています。代表の小倉淳さんは言います。

「彼らは施設を出て、生活していくためのお金を自分たちで稼ぐために毎日アルバイトをしています。働いたお金は生活費に充てられるため、思い切り遊んだ経験がありません」

15〜20歳になるまで、旅行やレジャー施設に行ったことがない。それどころか、郵便ポストを使ったことがない。ATMの使い方がわからない。電車に乗ったこともない。

「行きたいところへ行き、会ってみたい人に会う。そんな当たり前のことを、彼らがやってみたいと思うことを、一度でいいから、やらせてあげたい。その経験がきっと、これからの彼らを支えることになると思うのです」

児童養護施設で暮らす子どもたちを支援する認定NPO法人Living in Peaceは、「変わりたい」と願う虐待をしてしまった親たちの回復プログラムを実施する資金を募っています。

「ひどいことされたのは嫌だったけど、それでも私にとってはかけがえのない親だから、大好きな親だから、また一緒に暮らしたい」

代表理事の中里晋三さんは、施設でたびたび子どもたちからこんな声を聞いたと言います。

「子どもたちの幸せを実現するには、子どもと親が一緒に暮らせるように“変わりたい”と願う親を支援する必要がある思っています。虐待をしてしまっている親の背景には、親自身が虐待やDV、孤立やストレスのなかにあり、その悲しみが子どもたちに向いてしまっています」

Living in Peaceは親が過去のトラウマを克服する過程で、子どもとの関わり方を学んでゆく「MY TREEペアレンツ・プログラム」を実施しています。

「プログラムを通して、私たちは親は変われるということを知りました。虐待をしている親たちは、変われる、変わりたいと思っているということをみなさんにも知ってもらいたいです」

神戸のマナ助産院に設けられた、育てられずに悩む女性や妊婦が24時間無料で相談できる「いのちのドア」を継続するための資金を集めています。

日本フィルハーモニー交響団は、ひとり親のご家庭をコンサートに招待する資金を集めています。

第一弾として、この6つのプロジェクトは、みなさんのご支援のおかげですべて、第一目標を達成いたしました!次の第二目標に向かっております。

プロジェクト終了は12月25日23:00。残り1週間となりました。

クリスマスの夜までに、子どもたちに大人たちからたくさんのギフトが届きますように。

「こどもギフト」は第一弾以降、第二弾へと、これからも続いていきます。

※この記事は、11月20日に行われた記者会見を元に作成しています。

text by 徳瑠里香

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