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3.11─あの日の「無力感」を応援する力に変えてくれた。あれから毎年、クラウドファンディングで支援を続ける理由

日本初のクラウドファンディングとしてREADYFORがスタートしたのは、2011年3月29日。今も被害の痕跡が残る東日本大震災の発生で、日本中が悲しみにくれている最中でした。

「何ができるかわからないけれど、何かをしたい」

あの頃、誰もの胸にかすめた想い。発足当初のREADYFORでも、震災に関するプロジェクトが次々と立ち上がり、毎年3.11が巡るたび、被災地を後押しする動きが続いています。

その復興への活動を、途切れずに応援してきた支援者がいます。岩手県出身、愛知県在住の三浦康幸さん。

三浦さんは震災に関連するプロジェクトを中心に、8年の間に218件ものプロジェクトをサポートしてきました。

クラウドファンディングで地元・岩手を中心とする復興活動を応援するようになったきっかけと、今も続ける理由。そして、この先の支援の形について伺いました。

3.11、無力感のなかで出会ったクラウドファンディング

あの日、2011年3月11日。愛知で暮らす三浦さんを襲ったのは、途方もない無力感でした。

「生まれが岩手なんです。沿岸近くにあった実家は浸水しました」

故郷を襲った東日本大震災。何かできることをと気にかけても、現地ボランティアで役に立てるスキルや経験はない、時間も体力も限られている。思い悩む三浦さんが出会ったのは、少額から支援ができるクラウドファンディングサイトのREADYFORでした。

「サイトを見ていたら、実家の近くで活動しているプロジェクトがありました。ワンクリックだけど、確実に応援できる。それが、はじめてのサポートでしたね」

三浦さんが支援したプロジェクトは、震災から1年経った睦前高田市の仮設住宅に図書館をつくる活動。津波に飲み込まれた大好きな本を、また子どもたちが読めるようにと資金を募っていました。

「たとえ間接的でも、地元を応援できることに喜びを感じました」

小さくてもやれることがあると気づき、罪悪感のようなものが薄れたという三浦さん。純粋に地元である被災地の復興の力になりたいという思いから、岩手にゆかりのあるプロジェクトを中心に支援を続けるようになりました。

クラウドファンディングをすることが「日常」に

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震災からしばらくは月に数回、READYFORのサイトを訪れてサポートするプロジェクトを探していました。三浦さんの支援は、毎月一定の金額内で、興味を抱いた活動を応援するスタイルです。

「選ぶ先は、やはり岩手県のプロジェクトが多いですね。沿岸地域を中心に、慈善活動や人の役に立ちそうなもの、僕自身が面白いと惹かれた活動を選んでいます。目標金額に届かなければ資金が実行者にわたらないAll or Nothing方式のプロジェクトでは、もう少しで達成しそうなものを選ぶこともあります」

モノやサービスを販売し資金を集める購入型のクラウドファンディングでも、リターンの内容は決め手にはならないとか。

「もちろん、リターンが魅力的で決めることもありますよ。でも、全額使って欲しい、ぐらいの気持ちでボタンをクリックするプロジェクトに出会ったりもします」

平均して月に2、3回。積み上げた数は8年間で218件。続けてきた裏側には、なにか特別な想いがあるのでしょうか。

「うーん……逆にひとつのプロジェクトに強い思い入れがないから、続けられるのかと思います。あくまで日常の延長です。気軽に支援できるクラウドファンディングが、僕には合っている気がします」

お金の行き先がわかりやすいのも、安心してサポートできる理由だといいます。プロジェクトの実行者を信頼し、かつ少額のサポートだからこそ、活動のその後まで追いかけることはほとんどありません。

「現地ボランティアに参加する交通費より小さな金額でも、誰かの想いを後押しできるのがうれしいです。"手伝う"を重くとらえてしまうと、なかなか動けない。気負わずにできるクラウドファンディングが、誰かの願いに手を差し伸べるハードルを、低くしてくれました」

生まれ育った土地と「支援」という形でつながる

ここ2年ほどは、頻繁にプロジェクトをチェックすることはなくなりました。それでも、3.11の節目が近づくと、三浦さんがサイトを訪れる機会も増えます。

「震災から数年間は、社会福祉の色が強いプロジェクトが多かったですね。最近は、個人の夢など、もっと小さな想いにフォーカスしたものが増えて、バラエティ豊かになっている気がします」

何かをしなきゃという社会の動きにはじまり、必要なことが徐々に整ってきて、次は個人の未来を作っていこうとしている。少しずつ、被災地の雰囲気も変わってきていると、三浦さんは支援を通じて感じています。

「正月とお盆に、岩手に帰省します。まっさらな更地になった場所や、工事が続いている建物。復興住宅も、まだまだ残っています。目に映る爪痕があるから、遠くにいても震災は人ごとではなく、自分ごとのように思うのかな」

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震災から9年。いまでも、支援を続ける胸の内に、地元のためにという想いがあります。

「復興という言葉があるうちは、現実に復興は終わってないですよね。震災関連のプロジェクトがなくなるまで、それから興味が沸くプロジェクトがあるうちは、継続的に支援していきますよ」

検索キーワードで絞らず、全体から拾うように進行中のクラウドファンディングを探していると、岩手の復興関連の活動以外に、知らなかった取り組みに出会うことも。

「最近では、岩手・三陸海岸にゆかりのある宮沢賢治の詩碑を立てる活動や、福島県飯館村での成人式、それからアニメーターの低賃金問題など、テーマを決めずに支援しています。今後も、幅広くサポートしていきたいですね」

クラウドファンディングの出会いは、人と人をつなぐもの。三浦さんと、生まれ育った土地を、支援という形でつないだクラウドファンディング。

どこにいても、気持ちを実行に移す方法を見つけた三浦さんは、今年もまた、誰かの未来に向かう活動を、自分ができる支援の形で応援しています。

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text by サトウカエデ photo by 三浦康幸さん edit by 徳瑠里香
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