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想いと戦略で社会を照らす。広告業界出身者が見つけた、自分を解放できる場所

誰の、何のために──。

自分の仕事の“社会的な意義”を見失い、違和感を持ちながらも、その気持ちに蓋をして働いている人は少なくないかもしれません。

READYFORで働く久田伸さんもかつてその1人でした。でも今は、自分の仕事の先に今よりも明るい社会があることを確信しています。

久田さんは、新卒から約10年広告代理店で働き、2023年3月にREADYFORに入社。現在は新規事業の担当としてファンドレイジングキュレーター部の立ち上げに従事しています。

「仕事と仲間は大好きだった。それなのに、広告代理店の人間としての存在価値に疑問を抱くようになっていった」と、広告業界にいた当時を振り返る久田さんに、どんな心境の変化があったのか。READYFORへの転職の動機や現在の仕事のやりがい、これから実現したいことについて、話を聞きました。

「お父さん、どんな仕事してるの?」と聞かれたら、何て答えたいだろう

久田 伸(ひさた しん):千葉大学を卒業後、2014年に株式会社日宣へ入社。営業・企画・人事・サービス開発を歴任したのち、2023年よりREADYFORへ事業開発の担当としてジョイン。国内クラウドファンディング最高額・支援者数を記録した国立科学博物館のプロジェクトではリーダーを務める。

──READYFORに入社する前の久田さんのキャリアから教えていただけますか。

新卒から9年間、広告代理店に勤めていました。もともと大学は教育学部で、ずっと小学校の先生になりたかったんです。親族一同みな教師で、ビジネスとの接点がなく、当たり前のように、将来は公に資すること……平たく言えば“世のため人のためになることをしたい”と思っていました。

でも大学時代、バンド活動に明け暮れる中で、広告代理店で働く人たちに出会いまして。クリエイティブな仕事がしたい!バイネームで活躍したい!スーツ着たくない!と、今振り返ればとても浅はかな動機で(笑)、教員になる道から180度方向転換して、就活では広告代理店のみを受けました。

──晴れて入社した広告代理店ではどんな仕事をされていたのでしょう?

入って3年は営業職で、クライアントのオフィスと自社を往復する日々でした。恥ずかしながら、就活時は広告クリエイターにスポットが当たる仕事だと思っていたんです。でも、スポットが当たるのはクライアントの商品やサービスであることに入社してから気づいた。広告会社はクライアントにスポットライトを当てる“裏方”なのだと。でも、それに気づいてからは、むしろその裏方仕事に美学を感じてのめり込んでいきました。

入社4年目で企画部門に異動してプランナー兼コピーライターとなり、最後の2年半は社長室の立ち上げ、人事部マネージャー、新規サービス開発など、会社に多くの機会をいただきました。

──幅広い経験を積まれて順調にキャリアを進める中、転職を考えたのはなぜですか?

クライアントにも同僚にも恵まれて仕事は楽しかったんですが、入社5〜6年目からずっとモヤモヤしていたんです。端的に言えば、自分の仕事の“社会的な意義”が見い出せなかった。自分が介在してクライアントの商品が売れることと、社会がよくなっていくことの間に、大きな溝があるのを感じていたんです。

例えば、商品のプロモーションを企画して世に出たとしても、成果として僕に見えるのは、クライアントの売り上げが昨対比いくらになったか、ということ。その先で、誰がどれくらい幸せになったか、社会が明るくなったかは分からない。ビジネスとしては大事なことだけど、数字を追うだけでは僕は心が震えないことに気づいちゃったんですね。

時期を同じくして子どもが生まれ、社会への眼差しが変わり、見える景色が変わりました。子どもが大きくなって「お父さん、どんな仕事をしているの?」と聞かれたら、何て答えたいか自問したとき、少なくとも今の仕事ではない、と思った。それが決定打となって、働く環境と仲間を変えてみようと転職を決めました。

お金の意味をアップデートするため、クリエイティビティを発揮する

──転職をする際、READYFORを選んだ決め手は?

前提として、広告会社で培ってきた自分のプランニングとクリエイティブのスキルと、教員を目指していたときから持っていたソーシャル志向の両方が活きる場所で働きたいと思っていました。なので、社会課題の解決と経済的な成長の両立を追う「インパクトスタートアップ」に的を絞っていたんです。

その中でREADYFORに決めた理由は2つあって、1つはビジョンへの共鳴です。会社が目指す方向と自分が見たい景色が完全にシンクロしていると感じました。

READYFORが挑む「想いの乗ったお金の流れを増やす」ことは、社会そのものを変えていくことだと思うんです。お金はある意味「社会を循環する血液」であり、血液を変えることは、どんな治療よりも根本的で本質的だと感じました。

僕はこれまで、お金って自分の私利私欲を満たす「消費行動」のためにあると思っていました。でも「寄付」というお金の使い方は、それと少し違いますよね?寄付の市場創造をしようとしているREADYFORは、お金の意味自体をアップデートする会社だと思うんです。

僕は前職時代、営業では売り上げを、企画制作ではコミュニケーションを、人事では組織をクリエイトしてきたつもりですが、READYFORはより高い次元にあるお金の意味自体、そしてその先の社会をクリエイトしている。そこで自分のクリエイティビティが発揮できたらこんなに面白いことはない!と、心が震えたんです。

──培ってきたスキルをより社会に還元していくことができると。もう1つの決め手はなんだったのでしょう?

もう1つは、人ですね。READYFORで働く人たちって、ピュアに社会を変えたいと思っているんですよ。CEOの米良もCOOの樋浦も、普通に考えたらできなくない?ってことを、真顔でやろうとしている。漫画の主人公みたいじゃん!って(笑)。

その上で、ピュアだからこそのシビアさも併せ持っている。ピュアがゆえに衝動だけで突き進もうとすることが往々にしてあると思うんですけど、READYFORにはビジョンを絵空事で終わらせないための、戦略もプレッシャーもあります。そこに惹かれました。

想いと戦略、両方を兼ね揃えた仲間となら、お金の流れから社会を変えていくことに本気で挑める。入社してからなおのこと、その感覚は確信に変わっています。

実行団体の資金調達の伴走とサービス開発の両輪を回す

──READYFORに入社してからは、具体的にどんな仕事をしているのでしょう?

ファンドレイジングキュレーター部を立ち上げて、実行団体に対し、クラウドファンディングにとどまらない資金調達の戦略立案と伴走支援をしています。いわゆる特化型のコンサルティングチームですね。できて間もない部署で、サービス開発の段階にあります。

その中で、僕のミッションは大きく2つ。1つは資金調達のご相談をいただく団体に対して、どんな価値を提供し、自組織のケイパビリティを高めていくかという視点でサービスを開発すること。もう1つは個別の団体の担当リーダーとして、何のために、どうやって資金調達し、どんな社会的インパクトを生み出すかという視点で、戦略設計と企画立案を行うことです。

──個別の団体を支援する具体的な例として、5.6万人から9億円を集めた国立科学博物館のプロジェクトも担当していたんですよね。

はい。国立科学博物館様は、長期的な資金調達の課題設定からクラウドファンディングの伴走、その過程でのYouTubeの番組づくりやSNSの投稿計画に至るまで、丸ごと担当しています。ほかにも、Jリーグのサッカークラブや国立大学法人、福祉に関わる認定NPOなど、多岐にわたる領域の団体に伴走しています。

──どんなところにやりがいを感じていますか?

現場でプレイヤーとして団体と関わることと、サービスをつくっていくことの両輪を回せるところですね。先日もとある大学でビラ配りをしていたんですが、現場で団体の寄付活動に参加すれば、そこでの経験や気づきをサービス開発にすぐフィードバックできます。開発と実践を反復横跳びをしているような心持ちです。

1つのチーム内でこの往復ができるのは、スタートアップだからであり、立ち上げ段階の部署だからだと思います。チーム内で人の採用と育成をして、サービスを開発し、実際に団体に価値提供して、売り上げを立てていく。ある意味、READYFOR内に新しい子会社を創業しているような感覚で、ヒト・モノ・カネ・情報の全部に関わることができるのは非常におもしろいです。

「お客さま」ではなく「一緒に社会を変えていくパートナー」

──ご自身のキャリアとして、前職で培ってきたスキルが活かされていると感じますか?

とても感じます。自分がこれまでやってきたことを活かせる立場と役割を会社から与えてもらっていると思います。ただ、スキルを活かす先の目的が変わった。広告代理店時代は、クライアントの売り上げを伸ばすことが自分の仕事の最終地点だったけど、READYFORでは各団体の支援者を増やし、その先で日本の寄付市場全体を育てようとしているんです。

国立科学博物館のプロジェクトで言えば、5.6万人もの人が同時に地球の宝(標本や資料)を後世に残したいと願ったわけです。そんな瞬間はこれまで一度もなかったと思うんですよね。そのムーブメントは、実行団体である国立科学博物館に勇気を与え、全国のほかの博物館の希望にもなったはず。それこそが自分たちの仕事の成果として見える、社会的なインパクトだと思うんです。

──前職で感じていたモヤモヤが解消されたんですね。

まさに。仕事の内容というよりは、クライアントとの関係の違いだと思っていて。資本主義の仕組みの中では、広告代理店の仕事だけではないと思うんですが、クライアントにお金をいただき、その対価として価値を提供するので、お金を支払う側と受け取る側の間にはどうしても主従関係が生まれやすい。

でも、特にクラウドファンディングの場合は、クライアントにあたる実行団体にお金をもらうのではなく、集まった資金から成果報酬をいただくので、団体が資金調達に成功して初めて対価が得られる構造です。実行団体とREADYFORが同じ目線で同じゴールを目指すので、二人三脚にならざるを得ない。だから、団体を「お客さま」ではなく「パートナー」だと捉えています。「一緒に社会を変えていく仲間」だと思っているんです。

──ビジネスモデルとしてもクライアントとの仲間意識が生まれやすいわけですね。READYFORで働くようになってから磨かれたスキルや成長したと感じることはありますか?

一番大きく変わったのは、視座が上がったことですね。前職では来期に今期の売り上げを超えられるかを見ていたんですが、今は10年後に社会的なインパクトを生み出すために何ができるかを見ている。個人的には、子どもが成長したときにどんな社会でありたいかという視点を持って、仕事と向き合えるようになった。実現したい社会のために、チームの実力を高めて、サービスを磨く。視座が上がったことで、自分も急速にレベルアップしている感覚があります。

誰の、何のために働くのか。違和感を解放し真っ直ぐ進める場所がある

──では、今の仕事を積み重ねていった10年後、子どもが成長した未来にどんな社会を思い描いているのでしょう?

世の中の人たちが、「これ、社会に必要だよな、応援したいな」と思った先に、実はREADYFORがいたっていう状態をつくりたいですね。教育や福祉、文化芸術、地域活性……「社会にとって尊いもの」を、裏でREADYFORが支えている、というような。そういう意味では、まさにインフラに近い存在ですね。あることは意識しないけど、ないと社会が回らなくなる。お金という社会の血液の巡りを良くしている根底にREADYFORがいる。そんな未来を描きたいです。

とはいえ、鼻息荒く「ゲームチェンジだ!」とか「あいつらが敵だ!」とは思っていなくて、社会的な活動をする団体にとって必要なサービスを提供して資金調達を支え、その総和で一歩ずつ世の中が明るい方へ変わっていったらいいなと思っています。

……って、まるで経営者みたいなことを言っていますが、ほんとに経営陣のビジョンと自分の想いがピタッと重なって、ズレがないんですよ。

──久田さんがREADYFORで志高く自分の力を発揮し、やりがいを持って働かれていることがひしひしと伝わってきます。

転職の意思決定をしたあの時の自分は間違っていなかったと思います。かつての僕みたいに、ビジネスの戦場でバリバリ働いている人で、誰の、何のために働いているのか、言語化できないモヤモヤや小骨が喉に引っ掛かっている感じがある人は、まずは自分の気持ちと向き合ってみてほしいです。その違和感を飼い慣らして働かなくても、解放できる場所がここにはあるので。

ただ、READYFORが挑戦していることには高い志とスキルが求められます。社会のお金の流れを変えて、社会課題を解決する。掲げるのは簡単ですが、今まで誰も解けなかった問いですから。個人レベルでも高いスキルが求められるし、入社してからも爆速で成長していかないといけないと僕自身もプレッシャーを感じています。

明るい社会にしたいというピュアな気持ちと、したたかなビジネスマインドを持ち合わせている人にはすごくエキサイティングな職場だと思います。ビジョンに共感し、自分のスキルを活かして成長できる場所と仲間を渇望している人は、ぜひ一度、その思いを聞かせてください。

久田さんの所属するチームでは、一緒に働く仲間を募集しています!

text by 徳 瑠里香


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